高次の微分可能性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 06:14 UTC 版)
「多変数微積分学」も参照 関数 f: Rm → Rn が点 x0 において微分可能であるとは、 lim h → 0 f ( x 0 + h ) − f ( x 0 ) − J ( x 0 ) h ‖ h ‖ = 0 {\displaystyle \lim _{\mathbf {h} \to \mathbf {0} }{\frac {\mathbf {f} (\mathbf {x_{0}} +\mathbf {h} )-\mathbf {f} (\mathbf {x_{0}} )-\mathbf {J} (\mathbf {x_{0}} )\mathbf {h} }{\|\mathbf {h} \|}}=\mathbf {0} } を満たすような線型写像 J: Rm → Rn が存在することを言う。関数が x0 において微分可能であるなら、そのすべての偏導関数は x0 において存在しなければならず、そのような場合、線型写像 J はヤコビ行列となる。高階導函数に関する同様の定式化は、一変数微分積分学でいうところの有限増分の補題(英語版)によって与えられる。 ここで、偏導関数の存在は(あるいは、すべての方向微分の存在でさえも)、ある点における関数の微分可能性を保証するものではない、ということに注意されたい。例えば、 f ( x , y ) = { y if y ≠ x 2 0 if y = x 2 {\displaystyle f(x,y)={\begin{cases}y&{\text{if }}y\neq x^{2}\\0&{\text{if }}y=x^{2}\end{cases}}} で定義される関数 f: R2 → R は、(0, 0) において微分可能でないが、そのすべての偏微分と方向微分はその点において存在している。連続的な例として、関数 f ( x , y ) = { y 3 / ( x 2 + y 2 ) if ( x , y ) ≠ ( 0 , 0 ) 0 if ( x , y ) = ( 0 , 0 ) {\displaystyle f(x,y)={\begin{cases}y^{3}/(x^{2}+y^{2})&{\text{if }}(x,y)\neq (0,0)\\0&{\text{if }}(x,y)=(0,0)\end{cases}}} は (0, 0) において微分可能でないが、ふたたびその偏導関数と方向微分はすべて存在する。 関数のすべての偏導関数が存在し、ある点の近傍において連続であるなら、その関数はその点において微分可能でなければならず、実際 C1-級である。
※この「高次の微分可能性」の解説は、「微分可能関数」の解説の一部です。
「高次の微分可能性」を含む「微分可能関数」の記事については、「微分可能関数」の概要を参照ください。
- 高次の微分可能性のページへのリンク