高次の中心
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/04 02:30 UTC 版)
群をその中心で割るという操作から、昇核心列あるいは昇中心列 (upper central series) と呼ばれる群の系列 G 0 := G → G 1 := G 0 / Z ( G 0 ) → G 2 := G 1 / Z ( G 1 ) → ⋯ {\displaystyle G_{0}:=G\to G_{1}:=G_{0}/Z(G_{0})\to G_{2}:=G_{1}/Z(G_{1})\to \cdots } が得られる。全射準同型 G → Gi の核は G の i-次の中心(二次の中心、三次の中心、など)と呼ばれ、Zi(G) で表される。具体的に、(i + 1)-次の中心は i-次の中心の元を掛ける違いを除いて全ての元と可換となるような元の全体である。この定義の下では、0-次の中心というのを自明な部分群として定めることができる。また、この定義は超限帰納法を用いて超限順序数にまで続けることができて、高次の中心全ての結びは超中心 (hypercenter) と呼ばれる。 部分群の昇鎖 1 ≤ Z ( G ) ≤ Z 2 ( G ) ≤ ⋯ {\displaystyle 1\leq Z(G)\leq Z^{2}(G)\leq \cdots } が i で停止する(つまり Zi(G) = Zi+1(G) となる)必要十分条件は Gi が中心を持たないことである。 中心を持たない群は、全ての高次の中心が自明である(Z0(G) = Z1(G) で停止する場合)。 グリューンの補題(英語版) により、完全群の中心による剰余群は中心を持たない。したがって全ての高次の中心は中心に等しい(Z1(G) = Z2(G) で停止する場合)。
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