公式戦でのルールとマナー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/26 04:22 UTC 版)
「チェスのルール」の記事における「公式戦でのルールとマナー」の解説
時間管理 チェスの公式戦は、すべて持ち時間制のゲームとなっている。 トラブルの際は、必ずアービター(審判員)に報告する義務がある。 時間切れと勝敗 盤上でチェックメイトになると、時間に関係なくチェックメイトしたプレイヤーの勝ちになる。 双方のプレイヤーがともに時間切れになっていた場合、ゲームはドローになる。 プレイヤーAがプレイヤーBの(1)時間切れに気づき、(2)プレイヤーAには持ち時間がまだあり、(3)盤上に残っている駒で相手をチェックメイトできる兵力が最低限ある場合は、自動的にプレイヤーAの勝ちになる。 プレイヤーAがプレイヤーBの(1)時間切れに気づき、(2)プレイヤーAには持ち時間がまだあり、(3)盤上に残っている駒で相手をチェックメイトできる兵力がない場合は、自動的にドローになる。 プレイヤーAが(1)あきらかにAが劣勢な局面で、(2)Aには時間が十分残っていて、(3)意図的にプレイヤーBの時間切れを期待してプレイする場合は、プレイヤーBはアービターにドローを申請できる。 「手」について プレイヤーが駒を動かす際は、キャスリングの時も含めて、片方の手しか使うことができない。また駒を動かした手で時計のボタンを押す。 タッチアンドムーブ 英語の「Touch and move」または「Touch-move rule」を指す。チェスではいわゆる「待った」や「お手つき」が固く禁止されている。着手の意図をもって触れた駒は必ず動かす(敵駒なら取る)決まりになっている。ただしその駒を動かす(取る)ことが不可能な場合は別の駒を動かしてよい。 具体的には、自分の手番の時には、最初に手が触れた駒を動かさなければならない。 相手の駒を取る場合は、最初に手が触れた駒を取らなければならない。 動かす駒を一度マスに置いて手を離した場合、別のマスに動かすことはできない。 駒の位置ずれを直したい場合は、対戦者に一言ことわらなければならない。「失礼、駒を直します。」「I adjust.(英語)」「J'adoube(ジャドゥブ、フランス語)」など。また駒の位置の調整ができるのは、自分の手番の時に限られている。 「静粛」のマナー チェスのプレイ中は、できるだけ雑音を立ててはならない。私語はもちろん、独り言やぼやきも禁じられている。 チェス・クロックを押す際も、不必要に大きく叩かない。駒の扱いに関しても同様である。 携帯電話は必ず電源オフにする。着信音が一回鳴っただけでも、反則負けや失格になる。 対局が終了した場合でも、近くで別のプレイヤーが対戦中であれば、その場所での感想戦は控える。 ゲームの観戦 第三者(観客)がゲームに口出しすることは、固く禁止されている。(指し手はもちろん)タッチアンドムーブや持ち時間が切れたケースでも、第三者はプレイヤーへの助言やアービターへの申請はできない。現在行われているゲームに関与できるのは、その当事者(二人のプレイヤー)とアービターのみとなっている。 チェスの競技会場では、プレイヤーだけでなく第三者も禁煙である。 プレイ中の写真撮影は禁止されている。 その他のマナー 対局前には、お互いに挨拶や握手をする。(英語だと「Good Luck.(グッド・ラック)」になる。) 正当な理由のないドロー・オファーはしない。 対局中の飲食は、特に禁じられていない。適度な水分補給や糖分などの摂取は、むしろ推奨されている。しかし、あくまで他のプレイヤーの迷惑にならないことが前提となっている。 対局中に競技に使用するチェスセットとは別の、例えば携帯用チェスセットなどを使用し検討することも禁じられている。 対局中は音楽を聴いたり本や雑誌を読むなど、プレイに関係ない行為も禁じられている。 コンピュータや通信機器を使用した「カンニング」行為も、もちろん禁止されている。 対局後は勝った方も負けた方も、一礼または握手をする。(英語なら「Thank you for playing.」など。) 対局後は勝った方も負けた方も、感想戦(ゲーム内容の検討)を行うのが一般的である。感想戦は、自分が書いた棋譜の確認にもなる。
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