チェス・セット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 05:40 UTC 版)
駒のデザインのバリエーションは幅広く、少し飾っただけのものから、童話・映画・アニメ作品をテーマにしたもの等、様々なものがある。装飾的な駒は、実際のプレーに用いるよりも、インテリアなどとして用いられる。チェスの愛好者でダダイストのマン・レイ等、芸術家がデザインしたチェスセットもあり、ニューヨーク近代美術館に展示されている。 プレーに使われるチェスの駒は、たいてい幅よりも高さが高い立体物である。例えば、マス目の一辺が57mmのチェス盤で、キングの高さが95mmのものがある。様々なデザインのものが手に入るが、最も良く知られているものは、ナサニエル・クックが作り、19世紀のイギリスのチェスプレイヤーであるハワード・スタントンの名前がついた、スタントンデザインである。最初のスタントンスタイルのセットは1849年にジャック・オブ・ロンドンが作ったものである。木製のチェスの駒は、通常ツゲやカエデ等の材質の軽い木を用いる。黒の駒は、濃い色のシタンやコクタン、クルミ等が用いられるか、またはツゲ等で作って黒や茶色、赤に着色される。白と黒や赤のプラスチックで作る場合もある。時には骨、象牙、大理石等の素材を用いることもある。チェス盤が傷つくのを防ぐため、駒の底にはフェルトが貼り付けられていることが多い。 実際のプレーに用いるものとしては、スタントンチェスセットが標準的である。通常用いられるキングの高さは、85mmから105mm程度であるが、米国チェス協会はキングの高さとして、86mmから114mmを求めている。一般のプレーヤーには、95mmから102mmのものが好まれている。キングの直径は、高さの40%から50%である。他の駒の大きさも、キングの比にならっている。一方、盤のマス目の大きさはキングの底部の1.25倍から1.3倍が必要で、だいたい50mmから65mmであるが、57mmのものが一般的である。これらの基準は米国チェス協会の『Official Rules of Chess』に記され、これは国際チェス連盟のルールに基づいている。 携帯用の小さなチェスセットの駒は、将棋の駒やシャンチーと同じく平たいトークン状で、駒の種類を表すためにシンボルが描かれている。また盤からずれないように駒が磁石になっている製品もある。 コンピュータでは、チェスの駒は二次元で表されることが多いが、伝統的な駒を模して三次元で表示できるものもある。
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