全長120メートル以上の古墳の都道府県別分布
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 15:13 UTC 版)
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全長120メートルを超える巨大古墳の都道府県別分布は以下の通りである。和田(1992)の原図などを補正して作成した。 地方都道府県300m以上200-300m150-200m120-150m合計東北 宮城県 0 0 1 0 1 東北 福島県 0 0 0 1 1 関東 茨城県 0 0 2 1 3 関東 栃木県 0 0 0 1 1 関東 群馬県 0 1(+1) 4 8 13(+1) 関東 埼玉県 0 0 0 3 3 関東 千葉県 0 0 0 4 4 中部 山梨県 0 0 1 1 2 中部 愛知県 0 0 1 0 1 中部 岐阜県 0 0 0 1 1 中部 三重県 0 0 1 2 3 近畿 滋賀県 0 0 1 1 2 近畿 京都府 0 1 3 3 7 近畿 大阪府 4 8 8 8 28 近畿 奈良県 2 18 5 10 35 近畿 兵庫県 0 0 1 3 4 中国 岡山県 1 1 3 8 13 中国 山口県 0 0 0 1 1 四国 香川県 0 0 0 1 1 九州 福岡県 0 0 0 2 2 九州 宮崎県 0 0 2 0 2 合計7基29基(+1)33基59基126基(+1)表より、古墳時代の日本列島では墳丘長120メートル以上の古墳が125基もつくられ、そのうちの過半数が大阪府と奈良県、つまりヤマトの支配地域に分布していることがわかる。ヤマトに次いで大規模な古墳が数多く作られたのは吉備であり、全国で4番目に大きい造山古墳が吉備で最も巨大な古墳である。また規模の点において、ヤマトと吉備の支配地域の古墳が全国第45位までを占めており、ヤマト政権と吉備政権の盛強を物語る。そのいっぽうで大規模古墳は、同じ地方でも多数つくられた地域、ほとんどつくられなかった地域があり、偏在傾向が指摘できる。 墳形の面でみてゆくと、総計125基のうち、前方後円墳が121基、前方後方墳が4基である。このことより、前方後円墳は大王および地方の王の墓として卓越した地位をあたえられていたことがわかる。前方後方墳もまた同様であるが、年代的には前期に偏っており、両者の墳形の違いはヤマトを中心とする畿内王権との関係の相違などによることが示唆される。全長120メートル以上の前方後方墳4基はいずれも前期の大和(奈良県)の古墳である。前方後方墳は、日本列島全体からすれば、前期・中期に築造されたものが多く、福岡県から宮城県までの各地域に分布するが、とくに島根県東部の意宇平野、北陸の加賀・能登地方、濃尾平野や関東地方のとくに那須地方などに多い。前期後半から中期以降(4世紀後半以降)は、前方後方墳の造営が激減し、以前にもまして前方後円墳が畿内の王あるいは各地の地域政権の王として定型化していったものと思われる。 なお、前方後円墳は韓国の栄山江流域を中心に全羅道地方から13基が見つかっており、年代的には5世紀後半から6世紀初めにかけてに多く位置づけられる。
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