作品の概要と出版状況
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「けむりのゆくえ」の記事における「作品の概要と出版状況」の解説
著者の早川良一郎は本書を発表するまでは、サラリーマンとして日本経済団体連合会の事務局に勤めていた。早川は若き日に医者を志してイギリスに留学したが挫折し帰国。経団連に定年で退職するまで30年間奉職。50歳ごろから英国留学時の逸話などを基に随筆を書きはじめる。約3年ののち、書き溜めた随筆を自費にて製本し、『A STUDY OF SMOKING』と名付け、1973年(昭和48年)に199部のみ出版した。本書には朱ペンで通し番号が記載され、主に早川の知人に進呈された。 1974年(昭和49年)、本書は第22回日本エッセイスト・クラブ賞を受ける。限定出版であったことから、再出版の要望が寄せられたのを機に、『けむりのゆくえ』と改題、挿絵と装訂を辻まことが担当し、同年11月、装いもあらたに文化出版局から一般流通書籍として出版された。早川が自身のロンドン留学時代とサラリーマン時代を懐古し、日常生活の何気ない出来事を題材にした随筆を中心に、実在の知友をモデルにしたと思われる、パイプ愛好家である架空の人物を主人公にした逸話を挿みこんだその内容は、1970年代、80年代の熟年世代に共感を持って受け入れられ、名随筆として愛読された。また、パイプの話題が多く取り上げられていることから、喫煙者にも好評であった。早川は本書の刊行後、随筆家として活動し、数冊の著作を残している。 1980年代は絶版状態が続いたが、早川が歿して5年経った1997年(平成9年)に、自身も早川の随筆の愛読者であるという、ドイツ文学者の池内紀が編集を担当し、装訂を田淵裕一が担当した叢書“池内紀のちいさな図書館”の一冊として、五月書房から再版された。その後数年は市場流通していたが、現在は再び絶版となっている。
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作品の概要と出版状況
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「ちんちん電車 (随筆)」の記事における「作品の概要と出版状況」の解説
1966年、東京の路面電車の廃止が決まり、獅子文六は、東京に市街電車が開通した1903年(明治36年)、慶應幼稚舎在学中だった頃から寄宿舎からの里帰りにしばしば乗っていた「ちんちん電車」への愛惜をこめて、当時の電車にまつわる逸話を、大正、昭和時代の風俗、街並み等を回想しながら17章にわたって綴った。 「ちんちん電車」は1966年、吉岡堅二と六浦光雄が挿絵、原弘が装幀を担当し、書き下ろしの単行本として朝日新聞社から出版された。1970年代から長らく絶版状態にあったが、2006年、河出書房新社から再出版され、大正、昭和時代の東京の交通事情や路面電車の有り様を今に伝える名随筆として親しまれている。
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