作品の概要と評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 04:26 UTC 版)
「ベアトリスとベネディクト」の記事における「作品の概要と評価」の解説
ベルリオーズは『空騒ぎ』の5幕17場から題材を厳選して、プロットや構成の単純な、序曲と2幕2場からなる小規模なオペラを作っている。『ベアトリスとベネディクト』はベルリオーズの辛辣な機知と健全なユーモアを実証するものである。微妙な心理の駆け引きを交わす恋人たちの若々しい輝きに縁取られたこの音楽は、繊細な味わいとみずみずしさ、それにきらめく陽気さを備えている。 『ロマン派の音楽』を著したR.M.ロンイアーによれば『ベアトリスとベネディクト』は「彼の最後のオペラであるが、最良の伝統における器用なオペラ・コミックであり、舞台の限界に最も良く適応したベルリオーズのオペラである。音楽での別れの挨拶として、これはヴェルディの『ファルスタッフ』に比すべきものであり、やさしく、なぞめいたユーモアをもつ傑作としてベートーヴェンの作品135(第16番)の四重奏曲の最終楽章にも匹敵するものである」。 ベルリオーズが芸術的に最も影響を受けたのは、作曲家たちよりもシェイクスピアからであったと思われるが、その影響を直接的に表した作品とも考えられる。ロマン主義はしばしば虚無主義に行き着くと言われる。フランス・ロマン主義音楽を代表するベルリオーズであるが、恋愛に苦しみ続け、社会から孤立し打ちひしがれた晩年の虚無的な心境を表している[要出典]。 時代に先行したため、同時代人の無理解に苦しんだベルリオーズのオペラであるが、21世紀に至って上演回数は英語圏を中心に増加している[要出典]。
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