作中における「ビッグ・ブラザー」とは? わかりやすく解説

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作中における「ビッグ・ブラザー」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 07:43 UTC 版)

ビッグ・ブラザー」の記事における「作中における「ビッグ・ブラザー」」の解説

小説では、「ビッグ・ブラザー」の描かれポスターや「ビッグ・ブラザー」が出てくるテレスクリーン描かれるが、本人自身登場しない。「ビッグ・ブラザー」は45歳くらいの人物としてポスターなどには登場しているが本名分からず実在の人物か党が作り上げた架空の人物かどうかは明らかではない。 党のプロパガンダによれば、「ビッグ・ブラザー」はれっきとした実在人物であり、エマニュエル・ゴールドスタイン(後に「人民の敵」となる)らとともに「党」を結成し1950年代核戦争後に社会主義革命主導したとされる主人公ウィンストン・スミスは「ビッグ・ブラザー」がいつごろ登場したのか、かつて彼についてどのように報道されていたのかについて記憶をたどろうとするが、「ビッグ・ブラザー」についての報道は常に党により改竄されており、これを反駁する証拠何一つ手許残っていないのでどうしても思い出せない。 “偉大な兄弟”が世間の噂にのぼり始めたのは何年頃のことだったか思い出そう努めた1960年代のある時期違いない思ったが、それを確認することは不可であった。もちろん党の歴史によれば、“偉大な兄弟”は立党時代から革命指導者守護者として登場していた。その功績次第過去押しもどされ、すでに40年代30年代伝説的な世界、つまり資本家奇妙な円筒形帽子被り大型光り輝く自動車両面ガラス馬車ロンドン市内を乗り回すような時代にまで遡っていた。この伝説がどの程度まで真実なのか、どの程度まで作り話なのか知る由もなかった。ウィンストンは党そのもの創立され年月日さえ思い出せなかった。 革命初期指導者たちは、1984年時点では「ビッグ・ブラザー」だけが残っており、地下潜伏しとされるゴールドスタイン除き1960年代半ば反革命の罪ですべて逮捕・粛清されている。エマニュエル・ゴールドスタイン書いた禁書(『少数独裁制集産主義理論実際』)によれば、「ビッグ・ブラザー」は国民の愛と恐怖尊敬一身集めるために作りだされた存在である。実際には「ビッグ・ブラザーのような独裁者オセアニア支配しているのではなく無名の党のエリート党内局員)たちによる少数独裁制によりオセアニア支配されている。しかし、国民恐怖尊敬といった感情は、組織集団に対してよりも一個人に対してのほうが起こりやすいため、「ビッグ・ブラザーのような存在作りだされたと説明される。「ビッグ・ブラザー」は無謬にして全能存在であると設定されており、人々ポスターテレスクリーン通じてしか接すことはない。 彼は永久に死ぬような事はあるまいと我々が信じたとしても無理からぬであろう。しかも既に、彼の出生年月に就てはかなり不確実なのであるテレスクリーン通じて毎日放送される「二分間憎悪」は、「ビッグ・ブラザー」に対す愛情を示す場となっている。「二分間憎悪」には毎回ゴールドスタイン登場し国民彼に対す憎悪熱狂的にかきたてられスクリーン向かって怒号浴びせる憎悪復讐心、恐怖熱狂高まったところで画面には大きくビッグ・ブラザー」が登場する人々安堵し安心感与えられ彼の顔がスクリーンから消えた後には「B-B!‥‥B-B!‥‥B-B!」という合唱が起こる。 オセアニア政府には、戦争つかさどる平和省」、物資配給つかさどる豊富省」、プロパガンダを行う「真理省」があり、どれも実際の仕事内容省庁の名は正反対になっている。残る「愛情省」も名に反して逮捕と拷問を行うが、最終的な目的は名の通りである。つまり容疑者を「101号室」での拷問尋問等を通じて再教育し愛情省を出るまでには皆が「ビッグ・ブラザー」を心から愛するようにすることが目的である。

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