伊藤和子
伊藤和子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/11/14 00:41 UTC 版)
伊藤 和子(いとう かずこ)
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伊藤和子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 13:29 UTC 版)
「女性は土俵から降りてください」の記事における「伊藤和子」の解説
騒動5日後の4月9日、弁護士で国際人権NPO『ヒューマンライツ・ナウ』事務局長を務める伊藤和子は「明らかな女性差別であり、相撲協会は今すぐ見直すべき」として、次のように厳しく批判した。4月6日に日本相撲協会の広報部長が「差別ではない」「緊急事態の対応を検討する」と述べたことを踏まえた。 ある属性のみを理由に正当な理由なく立ち入りを排除するというのは、差別以外の何物でもない。「差別の意図がない」といくら言おうと、現実に女性を排除している以上、女性差別にあたる。 女性が土俵から排除されていることについて、「緊急事態にはどうするか」という議論に矮小化されてはならない。「普段は土俵に上がれない人間であっても、緊急事態であれば例外的に容認して土俵に上がってもよい」という議論そのものが差別にあたる。 このような議論は、第二次世界大戦の末期、当時「無能力」とされていた女性が、本土決戦という切羽詰まった状況になって竹やり訓練に参加させられた(「女性はこれに感謝せよ」とされた)というような『二級市民』扱いではないか。女性を蔑視している。 日本国憲法第14条では男女平等が定められている。これは民間でも適用され、職場での男女差別は許されない。男女間での差別的取扱いが許されるのは「合理的な区別」と認められる場合だけであり、異なる取り扱いをする側が合理性を証明しなければならない。ところが、相撲協会は女性を排除する合理性、正当性を全く説明せず『伝統』というのみである。 『伝統』とはなんだろうか。専門家の文献によれば、室町時代、江戸時代、明治にも、女性の相撲というのは行われ、女人禁制ということはなかった。それが女人禁制になったのは、明治以降、神道に基づく「女性が穢れている」という考え方に基づくものだとされる。「女性は月経がある=血を出す=穢れている」という考えだという。 このような考え方で女性を排除するのは女性蔑視の考え方に基づくものであり、合理性のない差別である。例えば、同じ理由で女性を職場や政治から排除したり、選挙権を認めないという結論が許されるはずがない。 一般社会では容認されない慣行なのに、「相撲は神事だから、伝統のわからない者が余計なことを言うな」等と、女性が論評することさえ許されないような議論がある。しかし、「伝統」「神事」を理由に女性差別が容認されて何もいえないというのは論外だ。たとえば、「伝統」「神事」を理由に外国人力士が排除されたり差別されたら、すぐに「人種差別」という問題になり、国際問題にすら発展するのが昨今だ。 ところが、女性差別については、話題にすることすら適切でないという空気感がある。このような議論状況を見ると、日本の男尊女卑は深刻だと感じる。 女性が土俵に上がれない、すなわち「女性にはその属性ゆえに行ってはならないこと、控えなければならないことがある」という現状が「伝統」の名のもとに存在し、正当化され、それが「国技」として優遇されていることが、人々の意識に大きく影響することは軽視できない。そうした事実を子どもの頃から記憶に植え付けられれば自然と「女性は男性よりも劣った存在だ」と認識させられ、男性は女性を見下すようになる。そのことが性暴力や家庭内暴力、セクハラ、AV出演強要、職場での男女差別などといった、「より深刻な」と評される問題に直接的につながる。これは私がこうした事例に多く接してきた経験から実感している。 差別問題はつながっている。みなの目につく女性差別は「小さなこと」「表層的なこと」「取るに足らないこと」として軽視されるべきでは決してないと思う。 21世紀、スポーツの世界でも、性別・人種等に基づく差別や暴力は、決して許されないという考えは趨勢になっている。合理性のない「伝統」の名のもとに女性を蔑視し、排除するような相撲の在り方は、今こそ変わらなければならない。2020年東京オリンピックを控え、国際的にも日本のスポーツ界の差別や暴力に対する視線は厳しくなっている。 相撲協会は、このまま合理性も説明できない女性差別をやめるべきだ。このまま一般社会では決して通用しない差別的慣行を維持し続けるなら、公益財団法人としての適格性が真剣に検討されるべきだ。 主務官庁である文部科学省も、女性差別をやめるべく同協会に指導監督をすべきではないか。 NHKも公共放送として、大相撲中継を継続するのが果たして適切なのか、再検討すべきだと考える。
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