仏教とグノーシス主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 09:25 UTC 版)
「仏教とキリスト教」の記事における「仏教とグノーシス主義」の解説
詳細は「グノーシス主義」を参照 詳細は「仏教とグノーシス主義」を参照 グノーシス主義は、初期キリスト教の異端研究者により、キリスト教のいくつかの異端派に与えられた名称で、それらの異端派は3世紀から5世紀にかけて栄えた。そういった教派に関する歴史的研究は、『トマスによる福音書』やナグ・ハマディ文書といった彼ら自身の著作の発見以降しっかりとした基礎の上になされている。主流派の学問では、こういった文書はユダヤ・キリスト教の伝統に基づいたものであって仏教との関連を示す何の証拠もないことが実証されたと考えられている。 エレイン・ペイグルズ(英語版)は後半に言及される著書『グノーシス派の福音書』(1979年)や、『信仰を超えて』(2003年)において、そういった理論を提唱して仏教学者に関連性を見つけるよう勧めている。グノーシス主義はイエス・キリストに帰されるような教えと東洋の宗教に見いだされるような教えを混ぜたものだとペイグルズは主張している。グノーシス主義と仏教の類似に鼓舞されてそれらの相互依存性がないかと問いかけ「[…]名前が変わったなら、『活仏』は適切なことにトマスによる福音書がイエス・キリストに帰するものを言いうる」のではないかと考える学者もいるとエレイン・ペイグルズは述べている。しかし、好奇心をそそるが、証拠は不十分だと彼女は結論しており、さらに、直接的な影響がなくとも、異なる文化でよく似た伝統がはぐくまれるということはあり得ることであり、これらの相似は偶然の一致かもしれないとも言っている。「ある人はトマスによる福音書の言葉を、それが仏教の伝統とどう共鳴するかを聞くためだけに聞く[…]これらの古代の福音書は信仰を超えてグノーシス、つまり理解するための唯一の道を探そうとする傾向がある」とペイグルズは書いてきた。トマスによる福音書には南インドのキリスト教徒の共同体、いわゆるトマス派を通じて明らかにインドの影響が存在すると彼女は主張している。 「インドにおける非カルケドン派」も参照 フィリップ・ジェンキンス(2002年)は、キリスト教やユダヤ教のテクストを解釈して、キリスト教のグノーシス主義運動を仏教であると考えようとする試みには批判的な態度をとっており、19世紀半ばから新しくて逸脱的な宗教的運動においては、たびたびイエスのイメージをアジアの宗教とよく似た教えを説く賢人、哲学者、オカルトの教師として形作ってきたと述べている。こうした宗教的運動によって形成されたイエスのイメージは一般に共有されるようになり、特に1945年のナグ・ハマディでのグノーシス主義的福音書の再発見のように、新約聖書の主流派の批判的な研究に影響するようになると彼は主張している。彼によれば、近代の学者の著作ではイエスはユダヤ教のラビの改革者という伝統的な考えよりむしろグノーシス的に、キュニコス学派的に、さらに暗号的仏教的になっている。 仏教学者のエドワード・コンズは、ヒンドゥー教や仏教の伝統がグノーシス主義に影響したというのももっともだと主張している。彼は、インドの仏教徒はインドのトマス派と交流しており、ナグ・ハマディ文書、トマスによる福音書は全て浄土教の経典と最も類縁性を持っていると主張している。
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