人見恩阿本間資貞の一番槍とは? わかりやすく解説

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人見恩阿・本間資貞の一番槍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 18:45 UTC 版)

上赤坂城の戦い」の記事における「人見恩阿・本間資貞の一番槍」の解説

大将阿蘇治時は、戦の前日明日2月2日正午開戦すること、また抜け駆けした者は処罰する通告していた。 開戦前夜数え73才(天正本では67才)の老将人見四郎入道恩阿は、30前後年下同僚本間九郎資貞に「ただ朽ち果てて老いで死ぬよりは、抜け駆けして一番槍取って戦いの中で死にたい」と本音を漏らす。資貞も実は抜け駆け考えていたので、手柄独り占めにしようとし、恩阿に向かって馬鹿馬鹿しい切り捨てた。恩阿は不愉快な顔をして宿舎を出、四天王寺の石の鳥居に何かを書き付けて去った結局、恩阿も資貞も抜け駆けをやめず、二人2日未明に城への道で鉢合わせした。恩阿が「孫ほども年が違う男に出し抜かれるところだったよ」と笑うと、資貞も「この上はもう対立する理由もありません。力を合わせて最期まで戦いましょう」と和解する二人古風な名乗り挙げて城を攻めたが、城中楠木党は、「やあやあ、あれこそは鎌倉武士様だ源平合戦熊谷直実平山季重真似しているのだろう。俺たちみたいなあぶれ者殺されたら大変だ」と無視して全く取り合わなかった。二人がなおも城の入り口攻めようすると、上からのように矢が振ってきたため、鎧に多くの矢が刺さってのようになり、二人絶命した。 時宗念仏聖が二人首級楠木軍から譲り受け天王寺持って帰って、資貞の嫡子本間源内兵衛資忠に届けた。資忠は何も言わず玉砕しようとしたので、聖は、生き永らえて先祖供養することこそ最大親孝行です、と必死になって説得した。聖が説得成功した思って場を離れた隙を見計らい、資忠は鎧を着込み観音祈り捧げたあと出陣した途中、石の鳥居にある恩阿の書付見て、これこそ後世物語に残るだろうと思い、右の小指噛み切り、血で歌一首書き添えた。 資忠が城中に「冥途の路で父に孝行したいから、同じところで討死したい」と願うと、今回楠木党のあぶれ者たちも感動し、城の入り口開けた。資忠は一人五十余り戦ったが、衆寡敵せず討死した。人々は、資貞を「無双弓馬達者」、資忠を「様(ためし)なき忠孝勇士」、恩阿を「義を知り命を見る」老戦士だったと讃え、三人戦死惜しんだ。 幕軍大将阿蘇治時は、抜け駆け者が出て討死したと報告受けたため、急いで出陣すると、四天王寺太子廟の石の鳥居に二首の辞世書き付けてあった。 花さかぬ 老木のさくら 朽ちぬとも その名は苔の 下にかくれじ(大意:花の咲かない老木朽ちてしまったとしても、その名声苔の下隠れことはないだろう) — 人見恩阿 まてしばし 子を思ふ闇に まよふらん .mw-parser-output ruby.large{font-size:250%}.mw-parser-output ruby.large>rt,.mw-parser-output ruby.large>rtc{font-size:.3em}.mw-parser-output ruby>rt,.mw-parser-output ruby>rtc{font-feature-settings:"ruby"1}.mw-parser-output ruby.yomigana>rt{font-feature-settings:"ruby"0}六(むつ)のちまたの 道しるべせん(大意:父よ、しばしお待ちください。私を想ってあの世でも道を迷っているでしょうか。私が今からお供をして、黄泉路道標となります) — 本間資忠 彼ら三人肉体は骨となって地に埋もれたけれども、その名声青雲九天の上よりもなお高く、刻まれ三十一文字を見るもので涙を流さないものは今に至るまで誰もいない、と『太平記』は結ぶ。

※この「人見恩阿・本間資貞の一番槍」の解説は、「上赤坂城の戦い」の解説の一部です。
「人見恩阿・本間資貞の一番槍」を含む「上赤坂城の戦い」の記事については、「上赤坂城の戦い」の概要を参照ください。

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