人種的な意味合い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 01:36 UTC 版)
「ファーガソン暴動」の記事における「人種的な意味合い」の解説
ワシントン・ポスト紙は、2000年より人口動態の大きな変化を経験したファーガソン警察と市民の間で既に人種格差があったことを指摘した。抗議行動、破壊行為、その他の社会不安が1週間以上続き、夜間外出禁止令が敷かれると暴動が激化した。暴動の際に略奪された店の幾つかはアジア系アメリカ人所有で、デイリー・ビーストはアジア系アメリカ人が人種関係の議論から「取り残される」傾向があると記した。 またワシントン・ポストによると、ファーガソン警察はブラウン射殺事件に先立って既に「法執行機関の疑惑」を抱えており、それは警察官53人中48人が白人でアフリカ系アメリカ人コミュニティとの比率が「人口統計と全く釣り合っていない(同地域の人口分布は、白人が1/3に過ぎず黒人が約2/3)」点だった。同地域は近年急速な人口動態の変化を遂げており、2000年に人口の半分以上が黒人となった。ミズーリ州司法長官事務所による2014年の年次報告書は、ファーガソン警察が「違反車両を停止させた際にアフリカ系アメリカ人を逮捕する可能性が白人の2倍に及ぶ」と結論づけた。 ロサンゼルス・タイムズ紙は、ファーガソンで勃発した状況が「何十年にもわたって構築されてきた」と論じ、もともと抗議者はセントルイスで最も貧しい困窮地区を擁する町や近隣街から来ており「貧困の郊外化が加速している課題」をその触媒として挙げた。 タイム誌は、「この国の黒人は、依然として(暴動を)必要とするここの住民達の一端であるため、暴動を起こす傾向がより多い」と論じた。1992年ロサンゼルス暴動のケースでは、黒人が30年に及ぶレイシャル・プロファイリングとの闘争について話そうとするも発言を塞がれ、依然として非常に不公平な扱いが残ったまま沸騰していった。この事件を経て、南カリフォルニアの景色が変貌し、全米規模で警察は執行に注意を払うようになった。 別の側面として、ファーガソンにいる貧民や黒人に負担をかけるシステムがこの状況を引き起こした可能性もある。軽微な交通違反が出発点で、違反者が期限内に罰金を払わない又は法廷に出廷しない場合、その出費が急速に増えてしまう。罰金による裁判所収入は、2013年のファーガソンにとって2番目に大きな収入源だった。2014年10月1日、セントルイス市は22万人の逮捕状を取り消し、令状再発行の前に3カ月の猶予を与えてから新たな裁判日を取得した。
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