井出謙治とは? わかりやすく解説

井出謙治

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/18 09:25 UTC 版)

井出 いで 謙治 けんじ
生誕 1870年6月7日明治3年5月9日
死没 (1946-10-30) 1946年10月30日(76歳没)
所属組織  大日本帝国海軍
軍歴 1891年 - 1930年
最終階級 海軍大将
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井出 謙治(いで けんじ、1870年6月7日明治3年5月9日) - 1946年昭和21年)10月30日)は、日本海軍軍人海兵16期次席[1]。階級は海軍大将

経歴

幕臣・井出勝三の長男として生まれる。開成中学を経て、1885年海軍機関学校に入校。機関学校廃止にともない、全生徒とともに1887年(明治20年)に海軍兵学校16期)に編入し、同校を1890年(明治23年)に卒業(次席[1])、1891年(明治24年)に少尉任官。「吉野」回航、「吉野」分隊長、砲艦「大島」航海長、常備艦隊参謀軍令部第2局員を経て、1899年(明治32年)アメリカへ私費留学し潜水艇について興味を持つ。製造会社に日参するも購入が条件と見学を断られ続けるが、退役米海軍少佐と知り合い潜水艇の航海を体験する。海軍省の命で潜水艇の購入交渉を行うが、予算の手当てができず交渉中止となった。1902年(明治35年)に帰国し、潜水艇への理解を深めることに尽力。「朝日」分隊長、駆逐艦「」艦長を歴任し、海軍省副官兼海相秘書官となり山本権兵衛大臣に仕えた。

その後、第2潜水艇隊司令兼水雷母艦「豊橋」艦長、海軍省副官、造船造兵監督官(イギリス出張)、イギリス大使館付武官、「磐手」艦長などを経て、1913年(大正2年)に海軍少将・呉水雷隊司令官となり、呉鎮守府参謀長、第4戦隊司令官、軍務局長、海軍次官などを歴任。1924年(大正13年)に海軍大将軍事参議官1930年(昭和5年)に退役した。

人物

藤田尚徳(海兵29期、海軍大将)によると、海軍部内において、岡田啓介(海兵15期、海軍大将)と並び、抜群の記憶力で知られていた[2]

栄典

位階
勲章等

脚注

  1. ^ a b 秦 2005, pp. 269–288, 第1部 主要陸海軍人の履歴-期別索引
  2. ^ 藤田 1987, pp. 20–29, 酒と侍従
  3. ^ 『官報』第2539号「叙任及辞令」1891年12月15日。
  4. ^ 『官報』第3783号「叙任及辞令」1896年2月12日。
  5. ^ 『官報』第4402号「叙任及辞令」1898年3月9日。
  6. ^ 『官報』第5232号「叙任及辞令」1900年12月8日。
  7. ^ 『官報』第6494号「叙任及辞令」1905年2月25日。
  8. ^ 『官報』第7640号「叙任及辞令」1908年12月12日。
  9. ^ 『官報』第451号「叙任及辞令」1914年1月31日。
  10. ^ 『官報』第1624号「叙任及辞令」1917年12月29日。
  11. ^ 『官報』第3158号「叙任及辞令」1923年2月12日。
  12. ^ 『官報』第3790号「叙任及辞令」1925年4月14日
  13. ^ 『官報』第4045号「叙任及辞令」1926年2月20日。
  14. ^ 『官報』第3727号「叙任及辞令」1895年11月29日。
  15. ^ 『官報』第5226号「叙任及辞令」1900年12月1日。
  16. ^ 『官報』第6728号「叙任及辞令」1905年12月2日。
  17. ^ 『官報』7005号・付録「叙任及辞令」1906年11月2日。
  18. ^ 『官報』第2660号「叙任及辞令」1921年6月14日。
  19. ^ 『官報』第2858号・付録「辞令」1922年2月14日。
  20. ^ 『官報』第4438号・付録「辞令二」1941年10月23日。

参考文献

  • 外山操編『陸海軍将官人事総覧 海軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
  • 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
  • 半藤一利他『歴代海軍大将全覧』中央公論新社〈中公新書ラクレ〉、 2005年。
  • 藤田尚徳『侍従長の回想』中央公論社〈中公文庫〉、1987年。 
  • 福川秀樹『日本海軍将官辞典』芙蓉書房出版、2000年。




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