主流ジャンルへの発展(2018〜現在)
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「バトルロイヤルゲーム」の記事における「主流ジャンルへの発展(2018〜現在)」の解説
PUBGとフォートナイトの成功に伴いバトルロイヤルジャンルは急速に拡大していった。エレクトロニック・アーツ(EA)やアクティビジョン及びUbisoftなどの大手パブリッシャーはジャンルの成長と彼らの将来の計画における影響を認めた。EAは基本プレイ無料のバトルロイヤルゲーム『エーペックスレジェンズ』を2019年2月にリリースし、同月以内にプレイヤー数は5000万人を突破した。同作ではバトルロイヤルにおけるリスポンとピン機能を実装した。アクティビジョンの『Call of Duty』シリーズは2018年の新作『コール オブ デューティ ブラックオプス4』(BO4)でバトルロイヤルモード「Blackout」を搭載し、エレクトロニックアーツも『バトルフィールドV』でバトルロイヤルモード「Firestorm」を搭載した。『Grand Theft Auto Online』や『Paladins』、『Dota 2』、『Battlerite』、『Counter-Strike: Global Offensive』などの既存のゲームもバトルロイヤルにインスパイアされたゲームモードを追加した。 バトルロイヤルの手法はファーストパーソン・シューティングやサードパーソン・シューティングと関連性が無いジャンルにおいても用いられるようになった。たとえば、2019年に任天堂がNintendo Switch向けにリリースした『TETRIS 99』は99人のプレイヤーが同時に「テトリス」をプレイし最後の生き残りとなることを目指すバトルロイヤルゲームであり、プレイヤーはラインを揃えて消すことで他のプレイヤーを直接「攻撃」することができる。シューティングゲーム以外のジャンルでバトルロイヤルを導入した他の例としては、シミュレーションゲームの『シヴィライゼーションIV』の「レッドデスモード」や、『痛快なりゆき番組 風雲!たけし城』などのゲーム番組から影響を受けたパーティーゲームの『Fall Guys: Ultimate Knockout』、横スクロールアクションゲームの『SUPER MARIO BROS. 35』などが挙げられる。 一部のバトルロイヤルゲームが成功を収める一方、人気が上昇するもその後同時接続プレイヤー数が減少していったゲームも数多く存在する。他のマルチプレイヤー専用ゲームとは対象的に、バトルロイヤルゲームは多数のプレイヤーが参加するという性質から、多数の同時接続プレイヤーを用意できないとゲームを開始できないという制約がある。2016年にアーリーアクセスとして発売されたXaviantスタジオ開発の『The Culling』は16人用のストリーミングフレンドリーなバトルロイヤルモードとして設計されていた。しかしながら、『PUBG』の発売以降、『The Culling』のプレイヤーの多くが離れていき、ゲームの完全版の発売から数カ月後にXaviantは同作の更なる開発を終了し、別のプロジェクトへと移ることを発表した。なお、同作は初期バージョンに近い仕様に戻され、『The Culling: Origins』として再出発した。2018年4月にBoss Key Productionskから発売された『Radical Heights』は、二週間以内にプレイヤー数が80%減少し、Boss Key Productionskの代表であるクリフBは同作の不振がスタジオの閉鎖につながったと後に振り返っている。また、Outpost gamesが2017年12月にリリースしたバトルロイヤルゲーム『SOS』は2018年5月までにプレイヤー数が二桁台まで減少し、2018年11月にOutpostはゲームの終了を発表した。 2017年10月に中国オーディオ・ビデオ・デジタル出版協会はPUBGについて殺し合いを繰り返すこのゲームは血なまぐさく、社会主義の価値から逸脱し若い消費者に害をもたらすと主張し同作の「中国での販売には暴力的過ぎる」と発表した。同協会は発表前に事実上中国本土での全てのコンテンツのライセンスを管理する国家新聞出版広電総局と協議しており、したがって西洋のゲーム雑誌は同国内でバトルロイヤルの発売が困難または不可能になると懐疑的になっていたが、2017年11月、PUBGコーポレーションは中国でのゲームの発売についてテンセントと提携し、中国の規制と検閲を満たすために「社会主義の核心的価値、中国の伝統文化とモラル規則を確実に遵守する」ためにゲームに一部の変更を加えた。PUBGコーポレーションとテンセントが中国でリリースをするという懸念にもかかわらず、中国でPUBGのクローンゲームが既に大量にリリースされており、 「チキンディナーゲーム」と呼ばれる新しいジャンルを作り出した。これはPUBGで最後に生き残った人物に対するお祝いのメッセージ「Winner winner chicken dinner」日本版では「勝った!勝った!夕飯はドン勝だ!!」からきている。2018年4月、PUBGコーポレーションは荒野行動を運営するNetEaseに対し著作権侵害や不当競争などで北カリフォルニアの連邦地方裁判所に提訴した。和解で終了するも和解の内容については不明。
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