丹田古墳とは? わかりやすく解説

丹田古墳

名称: 丹田古墳
ふりがな たんだこふん
種別 史跡
種別2:
都道府県 徳島県
市区町村 三好郡東みよし町
管理団体 東みよし町(昭521118)
指定年月日 1977.07.16(昭和52.07.16)
指定基準 史1
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: S52-06-018[[丹田古墳]たんだこふん].txt: 徳島県南北二分する吉野川南岸、[[三加茂]みかも]町の南方後背見られる加茂山の高い尾根上に占地する古墳である。同志社大学による調査が行なわれ、その実際が明らかになった。墳丘前方後円墳とも前方後方墳とも断定しがたい形態とっている。西方からのびてきた尾根前方部西端から11メートル前で南北切断し墳域を形成している。墳丘岩盤上に結晶片岩積石加えて築かれた土を用いない完全な積石塚である。墳丘全長37メートル、西に向かった前方部は幅6.6メートル、くびれ部付近で幅約10メートル先端からくびれ部までの長さ18メートル、高さは前方部先端で約1メートルを測り先端を最も高くしている。後円(方)部は南北17.5メートル東西17メートル、高さ3メートルを算え、徳島県下の積石塚としては徳島市八人塚古墳につぐ規模をもつものとして注目される
 後円(方)部中央に、墳丘長軸と軸を合せ竪穴式石室みられる石室小口一部損壊しているが、ほぼ全体をよく遺している。石室四隅を直角にし、四辺直線にした長方形平面をもち結晶片岩用い小口でもって壁面構成するものであり、全長4.51メートル、幅は東端で1.3メートル西端で1.28メートル、高さ1.2メートル前後をはかる。側壁床面から0.4メートルまで垂直に積み、以上は徐々に持ち送り天井部で合せ合掌状の天井をつくる。この形成奈良県天神山古墳などにはみられるが、きわめて珍しい構造であり注目されるのである
 石室内部はすでに開口しており、副葬品としては顕著なものを見ないが、銅鏡1面の他、鉄剣鉄斧など古墳時代前期属す副葬品採集されており、本古墳造営時期示している。
 阿讃積石塚古墳中、きわめて特色ある古墳であり、この地域古墳文化考える上に重要な古墳考えられる

丹田古墳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/12 23:57 UTC 版)

丹田古墳
所在地 徳島県三好郡東みよし町西庄加茂山
位置 北緯34度1分26.25秒 東経133度56分9.98秒 / 北緯34.0239583度 東経133.9361056度 / 34.0239583; 133.9361056座標: 北緯34度1分26.25秒 東経133度56分9.98秒 / 北緯34.0239583度 東経133.9361056度 / 34.0239583; 133.9361056
形状 前方後円墳または前方後方墳
(柄鏡式)
規模 墳丘長37m
高さ3m(後円部または後方部)
埋葬施設 竪穴式石室
出土品 銅鏡・鉄剣・鉄斧
築造時期 4世紀
史跡 国の史跡「丹田古墳」
特記事項 積石塚
地図
丹田古墳
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丹田古墳(たんだこふん)は、徳島県三好郡東みよし町西庄にある古墳積石塚)。形状は前方後円墳または前方後方墳。国の史跡に指定されている。

概要

徳島県西部、吉野川中流域南岸の加茂山の尾根上に築造された古墳である[1]1969年昭和44年)に発掘調査が実施されている[2]

墳形は、前方部が広がらず前方部先端がややバチ形に開くという古式の柄鏡式の前方後円形または前方後方形で、墳丘主軸を東西方向として前方部を西方に向ける[3][1]。墳丘は岩盤上における結晶片岩の角礫の積石により、土は使用されていない[3][1]。埋葬施設は後円部(後方部)における竪穴式石室である[1]。石室主軸を墳丘主軸と平行する東西方向とし、長さ4.51メートル、幅1.3メートル(東端)・1.28メートル(西端)、高さ1.2メートルを測る[1]。石室は結晶片岩の小口積みにより、石室の側壁は高さ0.4メートルまで垂直に積みそれ以上は持ち送ることで合掌状の天井を構築するという珍しい古式の構造で、類例はメスリ山古墳奈良県桜井市)・大和天神山古墳(奈良県天理市)・元稲荷古墳京都府向日市)で知られる[3][1]。副葬品としては銅鏡1面・鉄剣・鉄斧が検出されている[1]

この丹田古墳は、古墳時代前期の4世紀代の築造と推定される[1]。積石塚の前方後円墳(前方後方墳)であること、および合掌式竪穴式石室を持つ点で珍しい例として重要視される古墳である[2]。なお、付近の加茂東原遺跡では弥生時代終末期の竪穴建物群が検出されており、丹田古墳の築造に関わった集落と推測される。

古墳域は1977年(昭和52年)に国の史跡に指定されている[1]

遺跡歴

墳丘

墳丘の規模は次の通り[1]

  • 墳丘長:37メートル(または35メートル[3][4]/38メートル[2]
  • 後円部(後方部)
    • 南北:17.5メートル
    • 東西:17メートル
    • 高さ:3メートル
  • 前方部
    • 長さ:18メートル
    • 幅:6.6メートル
    • 高さ:1メートル
  • くびれ部
    • 幅:10メートル

墳丘には石だけで土が使用されておらず、完全な積石塚になる[1]。古式の積石塚は徳島県・香川県の一帯に分布することが知られており[3]、徳島県内の積石塚としては八人塚古墳(徳島市)に次ぐ規模になる[5]

文化財

国の史跡

  • 丹田古墳 - 1977年(昭和52年)7月16日指定[1]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 丹田古墳 - 国指定文化財等データベース(文化庁
  2. ^ a b c d e f 丹田古墳(東みよし町ホームページ)。
  3. ^ a b c d e 丹田古墳(平凡社) 2000.
  4. ^ 丹田古墳(徳島県立埋蔵文化財総合センター(レキシルとくしま)「とくしま遺跡ナビ」)。
  5. ^ 丹田古墳(国指定史跡).

参考文献

(記事執筆に使用した文献)

関連文献

(記事執筆に使用していない関連文献)

  • 『徳島県三好郡三加茂町丹田古墳調査報告(同志社大学文学部考古学調査報告 第3冊)』同志社大学文学部文化学科内考古学研究室、1971年。 

関連項目

  • 岩神古墳

外部リンク

  • 丹田古墳 - 国指定文化財等データベース(文化庁
  • 丹田古墳 - 徳島県立埋蔵文化財総合センター(レキシルとくしま)「とくしま遺跡ナビ」
  • 丹田古墳 - 東みよし町ホームページ



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