中飛車の種別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/19 06:37 UTC 版)
原始中飛車 別名を「下手の中飛車」といい、銀を角筋に沿えて5五歩からただ攻めまくるだけの戦法。定跡として相手側の受けが確立しているので、プロはおろかアマでも高段者の対局ではまず見られない。 ツノ銀中飛車 昭和中期に松田茂役などにより指されはじめ、大山康晴なども採用した戦法。バランス良く構え、急戦策に強い。ただ、玉が薄く居飛車穴熊など持久戦策の隆盛により衰退した。 風車 伊藤果創案。ツノ銀中飛車の駒組みから、飛車を一番手前の段に引き、玉を中住まいにする。 英ちゃん流中飛車 山口英夫考案。ツノ銀の形であるが、5筋の歩を突かない中飛車。 ゴキゲン中飛車 近藤正和考案。角道を止めないのが特徴で、従来の角道を止める振り飛車に比べて積極的に攻勢をとることが出来る。後手番の戦法であるが、先手番でも応用出来る。 5筋位取り中飛車 序盤早々に5筋の位を取る 陣形が伸び伸びして作戦勝ちしやすい 端角中飛車(5五龍中飛車) やや特異な戦法で、角を端にあがることからこの名がある。5筋位取り中飛車に組み、端角のにらみをきかせるのが趣向である。創案者は漫画家のつのだじろう。王位戦で深浦康市が羽生善治に対して採用したことがある。 5筋交換型中飛車 居飛車側の角道が止まっている(又は止まった)際に5筋の歩を交換しておく中飛車で、1歩を活用できるうえ、飛車先に金銀を配置しやすい、中飛車の得を活かすことができる。 角交換型中飛車 角交換型は中飛車の場合、▲7八金-▲7七桂-▲6七銀型と▲7八金-▲7七桂-▲6六銀型(中飛車先手の場合)とあり、角交換をすることで5筋の歩交換や他の角交換型振り飛車同様、飛車を8筋(後手なら2筋)に回っての反撃などの指し方がある。 平目 角道オープン中飛車の代表で、居飛車側に飛車先を突破させて5筋から反撃するのと、囲いにおいては左金を中飛車の下(玉の初期位置)に移動するのが特徴。本来は「香落ち上手の戦法」として知られる。 矢倉中飛車 急戦矢倉の一種。主に後手番が相矢倉模様から中飛車に振り直す作戦で、先手が矢倉囲いを完成させる▲7七銀を優先した場合、その為に生じた中央の薄さを突くのが狙いである。 矢倉流中飛車 矢倉規広考案。 カニカニ銀 創始者は児玉孝一。急戦矢倉の一種で、銀将を前線に送り出し、矢倉を組む過程で相手の対応によって中飛車に振る(振らない場合もある)。中飛車に振る場合は5五龍中飛車と同様、攻撃に端角の含みを持っている。玉を囲う5五龍中飛車と異なり、原則的に居玉のまま戦うのが特色。 無敵囲い 5八飛、6八銀、4八銀のわずか3手で完成する、飛車まで守りに使った囲い。 銀多伝 「二枚落ち下手の戦法」の代表格。4筋の位を取って上手陣を圧迫し、5筋から攻めていく。 中飛車左穴熊 中飛車であるが、居飛車のように玉を左側に穴熊に囲う戦法。相振り飛車・対振り飛車のときに用いられる他、相居飛車でも用いられる。 中原飛車 中原誠考案。相掛かりの後、中原囲いに組み、5六飛と振る。
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