中継貿易の衰退と苦境に立つ琉球とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 中継貿易の衰退と苦境に立つ琉球の意味・解説 

中継貿易の衰退と苦境に立つ琉球

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 02:49 UTC 版)

琉球の朝貢と冊封の歴史」の記事における「中継貿易の衰退と苦境に立つ琉球」の解説

明の強力なバックアップのもと、中継貿易繁栄した新興国琉球であったが、1430年代からは明の優遇策徐々に廃止されていき、15世紀半ば以降朝貢貿易衰退していく。そのような状況下で、琉球拠点とした中継貿易次第に振るわなくなっていく。まず大きく立ちはだかったのが、明からの船舶下賜中断であった明からの船舶下賜中断はまず琉球対す優遇策を取ることのメリット減少したためであるが、もう一つ自体衰退要因のひとつであった琉球側は明の造船所船舶建造行ったり、自前で船を建造するなどの対策行ったが、明か下賜され大型船中継貿易使用していた琉球にとってその痛手大きかった。 もちろん明との朝貢貿易自体不振琉球中継貿易衰退の要因となった中国製品の入手量が減ればその分琉球中継される東南アジア等の他地域商品量が減少することになる。そして15世紀後半から16世紀に入ると中国近海情勢激変していく、それまで東アジア東南アジア海域活躍していた琉球ライバル出現してきたのである。 まず15世紀半ば以降日本系の船舶独占されるようになる中で、琉球対日本朝鮮交易関与できなくなっていく。そして16世紀に入るとポルトガル勢力東南アジア進出するうになるポルトガル1511年中継貿易栄えたマラッカ王国滅ぼし本格的に東南アジアそして中国南部へとその活躍の場広げていく。 一方、いったんは沈静化しつつあった倭寇始めとする海上勢力16世紀に入ると再び活発化する。16世紀には明の商品経済大きく発展し沿岸部でも陶磁器絹織物綿織物等、手工業による産品大量生産されるようになっていた。また16世紀半ば以降日本では灰吹法普及によって銀の生産高急増していた。このような情勢下で中国沿岸の人たちが直接外国への輸出活動乗り出さないように押しとどめておくこと自体に無理があった。中国製品と日本の銀との取引など、中国近海では密貿易横行する密貿易従事者中国沿岸の人たちばかりではなく日本人、そしてポルトガル人なども絡んでくる。16世紀半ば中国近海密貿易従事する海上勢力活発化し、琉球交易活動にとって大きな脅威となっていた。 貿易量の減少は、琉球使用する船舶小型化現れるうになる1520年代以降琉球が明で建造する船舶それまでよりも小型ものになる強力なライバル出現し中国近海海上勢力活発に活動する中で、琉球交易活動衰退していき、1570年代には東南アジアでの活動終止符を打つ。明は1567年には現状追認して海禁緩和しこれまで朝貢時に限っていた対外貿易民間商人にも解禁するその後中国民間商人貿易活動本格的に参入していくようになる。明への朝貢を軸として公的な中継貿易展開するという琉球スタイルは完全に時代遅れのものとなっていった。 明への朝貢を軸とした東アジア東南アジアとの中継貿易の衰退は、琉球王国自体危機招いていくことになる。まず貿易収入減少によって財政難深刻化していく。また中継貿易の衰退によって航海携わる人材足りなくなり琉球船舶航海術低下見られるようになってきた。琉球王国としては明との冊封貿易斜陽化する15世紀半ば以降南西諸島内での領土拡大統治機構整備による中央集権化進め対外貿易低下カバーしてこうとした15世紀から16世紀前半にかけて、南西諸島内での琉球王国版図拡大に対して外部からの障害無かった。しかしやがて16世紀後半以降南九州島津氏が力をつけ、琉球王国脅威となっていく。また明との朝貢貿易東南アジアとの貿易衰退していく中で、必然的に日本中でも島津氏が力を強めつつあった南九州との関係を深めざるを得なくなる。

※この「中継貿易の衰退と苦境に立つ琉球」の解説は、「琉球の朝貢と冊封の歴史」の解説の一部です。
「中継貿易の衰退と苦境に立つ琉球」を含む「琉球の朝貢と冊封の歴史」の記事については、「琉球の朝貢と冊封の歴史」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「中継貿易の衰退と苦境に立つ琉球」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「中継貿易の衰退と苦境に立つ琉球」の関連用語

1
2% |||||

中継貿易の衰退と苦境に立つ琉球のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



中継貿易の衰退と苦境に立つ琉球のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの琉球の朝貢と冊封の歴史 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS