中川短絡線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 06:21 UTC 版)
駅構内西側に大阪線と名古屋線の各本線を短絡し、大阪上本町方面と近鉄名古屋方面間を方向転換なしで直通できる単線の短絡線「中川短絡線」がある。信号場ではなく、当駅の一部である。 なお、大阪線側の分岐点は「宮古分岐」、名古屋線側の分岐点は「黒田分岐」の名称がある。 短絡線を経由する列車は当駅プラットホームを通らないが、運賃計算上は当駅を経由したことになる。 短絡線の敷設以前、名阪特急は伊勢中川駅でスイッチバックしており、運転停車を行っていた。この不便を避ける目的で、当駅に運転停車せず名阪特急の運転を可能とする為に敷設された。名古屋線の改軌工事に関連し、当初は久居駅付近から川合高岡駅付近に4.7kmの新路線建設を計画、1959年2月に免許を得た。だが、用地買収の困難さや雲出川架橋などの出費を考慮して、結果伊勢中川駅の東側付近に延長420m、半径160mの曲線状の単線を敷設することに決定した(新路線計画は1963年1月に起業廃止)。 1961年3月29日に使用を開始。当初は名阪甲特急(いわゆるノンストップ特急)のみが短絡線を利用し、名阪乙特急(沿線主要駅停車の特急)は従来どおり伊勢中川駅でスイッチバックを行っていたが、1963年3月21日から乙特急も短絡線を使用するようになった。このため、同日をもって特急車の編成の向きは大阪線基準から名古屋線基準へと変更された(1961年3月29日より1963年3月21日までは名阪甲特急の編成の向きが名古屋線内で逆転していた)。乗客を乗せた状態での通過は名阪特急のみだが、この他にも、団体用車両の編成の向きを定位に戻す際や、奈良線系統用の一般車両を大阪線や名古屋線に配置転換する際に、パンタグラフの向きの関係で方向転換する目的で、短絡線を含む当駅のデルタ線を利用している場合がある。 急カーブを徐行することから時間短縮効果は高くないが、座席の向きを変える手間を解消させるサービス面での効果が得られた。 1961年に完成した短絡線には、雲出川の支流である中村川を跨ぐコンクリート橋梁の部分があるが、この構造は中村川の治水に不十分であった。そのため国土交通省の補助を受けて橋梁の架け替え工事を2002年から行い、2012年1月21日に完成して供用を開始した。これにより橋梁部分の改良のみならず、短絡線の曲線半径が半径160mから半径200mへと大きくなった。
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