中(後)乗り前降り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 17:37 UTC 版)
後払い(整理券)方式の乗降客が比較的多い区間、または路線運賃体系上の第一区間(整理券発行不要区間)で用いられる。乗車時に後扉(入口)付近の発行機で整理券を取り、降車時に整理券番号に応じた運賃を払う。多くの路線バスのほか、本州・四国・九州のローカル鉄道路線やほとんどの路面電車で採用されている。関西地方では、整理券を発行しない均一料金制の路線バスも一部を除き後乗り前降り(降車時払い)になっている。 ワンマン化の過渡期(ワンマン運転は当初、大都市の均一区間から導入が始められたため前乗り中(後)降りが主流だった)や同じ地域内で事業者の運行形態や乗降の扱いの違い(尼崎市や伊丹市の各交通局は均一区間の前乗り中(後)降りに対して阪急バスや阪神バスは整理券方式の中(後)乗り前降り、奈良交通の場合は同じ事業者でも奈良市中心部では系統によって前乗り中(後)降り先払いと中(後)乗り前降り後払いで運賃支払いの扱いが違う)などで前乗り中(後)降りと混在している例がある。神奈川中央交通では中(後)乗り前降り 、前乗り前降り 、前乗り中(後)降りの3通りの乗車方法を採用していたため、乗り方が複雑になっていたことから、2012年より前乗り前降りの路線を中(後)乗り前降りに変更している。 キセル防止のため、乗車用の後ろ扉を降車用の前扉から少し遅れて開けるようにしたり、ホームに乗客がいない場合は後ろ扉を開けないか、すぐに閉める運転士も多い。半自動扉(客用ドアボタンで開閉するもの)の場合(無人駅での停車中)は乗車用の後ろ扉の「開」ボタン(車内)では開扉できない(車外の「開」ボタン、車内の「閉」ボタンは操作可能)。降車用の前扉は車内の「開」「閉」ボタンの操作は可能。またその観点から、駅の出入口付近に列車を停車させるようにした駅もある。 備考 一部のバスや路面電車では、特定の停留所で「のりかえ券」を発行する場合がある。乗り換え時に最終目的先までの運賃を支払って発行を受け、乗り継いだバスや電車では降車時に乗り換え券を運賃箱に投入する方式、乗り換え地点までの運賃を支払って発行を受け、乗り継いだバスや電車では降車時に乗り換え券と差額運賃を運賃箱に投入する方式(札幌市交通局など)、乗車時に「整理券・乗りつぎ券」と記されたものを受け取り、乗継指定停留所でその地点までの運賃を支払い、その券片を所持したまま次のバスに乗り継ぎ、最終目的地で差額を支払う方式(南海バス堺営業所)がある。 終点での下車客が多いバス路線では、ラッシュ時など特に降車客が多い時間帯は停留所へ係員を配置し、中(後)ドアからも降車を行って降車時間短縮を図ることもある。この場合、運賃は中(後)ドア横の係員に支払う。この方式は甲子園駅や広電西広島駅でしばしば見ることができる。また路面電車でも同様の取り扱いをするところがあるが、これについては次項を参照。
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