一般的概念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/10 01:42 UTC 版)
集合知 集合知には、collective intelligence, collective knowledge, wisdom of crowdsなどの異なる英語が対応する。経営学の一分野である知識管理論からのアプローチには、洞口治夫(Horaguchi Haruo)『集合知の経営-日本企業の知識管理戦略-』(2009)があり、その後、中国語、英語に翻訳されて出版されている。 Howard Bloom Howard Bloom は、35億年前の祖先である細菌の時代から現代まで、生命が進化の過程で発生した集団的知性の経過を描いた。 Tom Atlee と George Por 一方でTom Atlee と George Por は、「人間」の集団で発生する集団的知性を重視している。「人間の集団」に効果的な集団的知性を発生させるには、構成員の自発性と分散知能をオープンにすることが必要であるとしている。 Atlee と Por の観点からすれば、集団的知性の力を最大限に発揮できるかどうかは、その組織の個々の構成員が発する、潜在的に有益な意見やアイデアを、「黄金の示唆」として組織全体が積極的に受け入れる能力を持っているかどうかにかかっている。逆に、集団思考(集団浅慮)が発生する組織というのは、特定の個人の意見しか取り入れなかったり、黄金の示唆となるべき意見に十分耳を傾けないために発生するとしている。 「黄金の示唆」を拾い上げる手段として、様々な投票・アンケートを用い知識の集積を図ることは、構成員から多くのユニークな観点を集めることができ有用である。ただ、構成員に予備知識のない(専門家でない)場合の投票は、ある程度無作為に行うほうがよい。事前の討議は合意を形成してしまい、特定の観点を先入観として構成員に与えて、潜在的な「黄金の示唆」の反映を困難にするからである。 これに対する批判として、予備知識のない者の無作為の投票では、組織として悪いアイデアや誤解が支持される可能性もあり、やはり意識の決定過程では、その問題に関する専門家の意見を重視することが必要であるとも言われている。 その他 集団的知性の他の専門家は、Atlee や Por とは違った見方をしている。Francis Heylighen、Valerie Turchin、Gottfried Mayer-Kress は集団的知性を計算機科学とサイバネティックスの方向から論じている。Howard Bloom は生物学的観点を強調し、地球上のあらゆる生物が「学習マシン」の一部であるとした。Peter Russell、Elisabet Sahtouris、Barbara Marx Hubbard ("conscious evolution" という用語の発明者)は、叡智圏(ノウアスフィア)のビジョン(すなわち、地上の情報層ともいうべき部分で急速に発展する集団的知性)に触発された。
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