一般的機構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/03 23:42 UTC 版)
遷移金属触媒オレフィンメタセシスの機構は、過去40年間にわたって広く研究されてきた。RCMは、クロスメタセシス(CM)や開環メタセシス重合(ROMP)、非環式ジエンメタセシス(英語版)(ADMET)といったその他のオレフィンメタセシス反応と同様の機構経路を経る。触媒サイクルの全ての段階が可逆的と考えられるため、反応条件や基質に依存して、これらその他の経路の一部がRCMと交差することも可能である。1971年、ショーヴァンは [2+2] 環化付加によるメタラシクロブタン中間体の形成を提唱した。この中間体は次にサイクロリバート(cyclorevert)して同じアルケンまたは触媒種を与えるか(非生産的経路)、新しい触媒種とアルキリデンを生成する(生産的経路)。この機構は化学者の間で広く受け入れられるようになっており、RCM機構のモデルとなっている。 反応は、触媒のアルケン配位子が基質と置換することから始まる。この過程は、一連の [2+2] 環化付加とサイクロリバージョン(cycloreversion)による新たなアルキリデンの形成を介して起こる。ホスフィン配位子の会合と解離もグラブス触媒の場合に起こる。RCM反応では、このアルキリデンが同じ分子上の2つ目の反応性末端アルケンと分子内 [2+2] 環化付加を起こす。2分子目の出発物質の分子間付加も起こり得る。これは一般的な競合副反応であり、重合が起こる。メタラシクロブタン中間体のサイクロリバージョンは、[M]=CH2またはアルキリデン(触媒サイクルに再び入る化学種)と共に、望むRCM生成物を形成する。揮発性エチレンが失われることがRCMの駆動力であるが、エチレンは競合するメタセシス反応によっても生成されるため、RCM反応のみの駆動力と考えることはできない。
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