ラッセルの宇宙論
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「ウォルター・ラッセル」の記事における「ラッセルの宇宙論」の解説
1921年5月、ラッセルは大きな変容を伴う天啓を受けた。この体験について彼は、1950年版のホームスタディコースの中の一章「The Story of My Illumining(私の覚醒体験について)」において語っている。"(天啓を受けている)その間、私は全ての動きとは何であるかを認識し、そして全く新しい形であらゆる物事を理解した。" ラッセルは、リチャード・モーリス・バック博士がその著『Cosmic Consciousness(宇宙の意識)』 で使用している用語を使い、この「Cosmic illumination(宇宙的覚醒)」の現象を説明している。その後、彼は"今まで覚醒体験を経験して、それを説明できた人はいない。だから、それを伝えるのは私の使命"と記している。 この天啓によってラッセルが知りえた宇宙の成り立ちは、1949年に出版された彼の二巻からなる書作『The Divine Iliad(神の儀式)』に書かれているテーマである。 5年間の準備を経て、彼は理論物理学分野への挑戦を始めた。彼は天啓によって知りえた新しい宇宙の仕組みに関する知識を、『The Universal One』(1926) および『The Russell Genero-Radiative Concept』(1930) で発表した。また、1930から1931年にかけて、ニューヨークタイムスにおいても自身の主張を保護する形で展開した。 科学者たちとの論争から、ラッセルの宇宙論に、引力と放射力からなる「二方向の宇宙論」というキャッチフレーズが生まれた。「引力と放射力は反対の圧力条件であり、それらはお互いを与えあいながら永遠に打ち消し合っている」と彼は主張する。 ラッセルの理論はさらに発展し、『The Secret of Light』(1947) と『A New Concept of the Universe』(1953) の二作の著書で発表された。 ラッセルの宇宙論は宇宙に関する新しいコンセプトで、物質とエネルギーの関係および電気と磁気の関係を説明している。 また、創世のプロセス、原子構造や恒星系の性質、宇宙を支配している自然法則(打ち消し合いの原理、周期性、バランスの法則など)、そして神や宇宙と人間の関係をも論じている。 1930年にラッセルの宇宙論を学んだエンジニアはこう述べている。「ラッセル理論が正しければ非常に有意義なものだ。彼は、物質とはたった一つしか存在しないこと、各元素が示している違いは物質的な違いでなく、(そのたった一つの物質の)運動の大きさ(広がり)の違いでしかないことを示している。つまり、ラッセルの理論が正しければ、原子核変換も現実のものとなる」 ラッセルは、「科学の致命的な過ち」は、「創造主を創世から排除していることだ」と述べている。 ラッセルは擬人化された神については決して語っておらず、その代わりに「神とは目に見えず、動かず、性別もなく、分割することができない、そして無条件に注がれるマインドの白い磁気の光」と書いている。 そのマインドの白い磁気の光は、すべてのものをつなぎとめている。彼はまた、「神とは実験室でも確認できるものだ。人が磁気と呼ぶ、静止していてその存在を確認できる光こそ、神たる光なのだ」とも書いている。 彼は、ニューエイジにおいて宗教と科学が一体となるべきだと主張した。
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