ユングと超心理学とは? わかりやすく解説

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ユングと超心理学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 09:15 UTC 版)

カール・グスタフ・ユング」の記事における「ユングと超心理学」の解説

ユングはその学位論文いわゆるオカルト現象心理病理』において、従妹ヘレーネ・プライスヴェルクを「霊媒」として開かれた交霊会」を扱ったこと(ただしこの論文では神秘的要因ではなく精神病理的状態に帰されている)、また錬金術占星術中国の易などに深くコミットしたことにより、オカルト主義的な傾向見て取られ、また新異教主義的な人々からその預言者みなされる傾向がある。これにはおそらく母方のプライスヴェルク家が霊能者家系として著名だった出自影響していると思われる。また「集合的無意識」や「元型」などの一般生物学知見とは相容れない概念提起することによって、20世紀科学から離脱して19世紀自然哲学逆戻りしてしまったという批判がある。またフロイトユングとまだ訣別する前に、「オカルティズム」を拒絶するよう強く求めた一方でユング自身は、夢に見られる元型に関して遺伝関連づけて言及していたくだりがある(『分析心理学』)。無意識に蓄えられている遺伝情報莫大であり、人の心性がそれを基礎にしているからには、その生み出すものも、その起源をはるか過去遡ることができるとする解釈も可能であり、遺伝情報内の大量経験データ中には、人に平均して訪れ体験体系含まれていると考えた場合元型普遍性説明できるであろうまた、そうした無意識内容生み出す傾向、というユングの説明付与は、人間普遍的な基盤立脚しながらも、決し固定され構造ではなく(これが生物学的な本能しばられ動物と違う点である)、変化可能性秘めていることを示唆している。無意識意識調停作業ユングの言う「個体化」に結実する。 ただし19世紀末から20世紀初頭の状況は、一方で精神医学極めて機能主義的捉えることのみが科学的であり「心の治癒」といったものを語ることは出来ないという流れがあった一方でアカデミズム以外オカルティズム大流行があったのみならずウィリアム・ジェームズのような学者心霊主義実験乗り出すなど、心の問題に関するアプローチは現在以上に定まらないところもあった。こうした問題に関してユング批判的であったフロイトも、そもそも性理論を打ち立てるのはオカルトの「黒い奔流」に対する「堅固な城塞」を築かねばならないからだという動機を口にしており、こうした問題に必ずしも安定した姿勢臨んでばかりいたわけではなかった。またユング自身きわめて厳格に学問的な方法論意識して研究進めていたという主張もあり、こうした点について決定的な評価下すことはまだ難しといえる

※この「ユングと超心理学」の解説は、「カール・グスタフ・ユング」の解説の一部です。
「ユングと超心理学」を含む「カール・グスタフ・ユング」の記事については、「カール・グスタフ・ユング」の概要を参照ください。

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