ユネスコ記憶遺産登録に関して
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 20:12 UTC 版)
「南京事件論争」の記事における「ユネスコ記憶遺産登録に関して」の解説
中国が南京事件に関する文書と慰安婦関連資料のユネスコ記憶遺産への登録申請をユネスコへ行ったことに対し、日本政府は登録までに繰返し中国政府に申請を取り下げるよう抗議を行っていた。2015年10月9日にユネスコは「Nanjing Massacre (南京虐殺)」に関する文書をユネスコ記憶遺産に登録することを決めた。 中国が申請し、登録された資料は、犠牲者数を30万人以上とした南京軍事法廷の判決書の他、日本軍が撮影した写真、アメリカ人牧師が撮影したフィルム、生存者とされる者の証言や外国人の日記など11点であった。 金陵女子文理学院宿舎管理員・程瑞芳の日記 米国人ジョン・マギー牧師の16ミリフィルム 南京市民の羅瑾が保存した日本軍撮影の民間人虐殺や女性へのいたずら、強姦の写真16枚 呉旋が南京臨時政府参議院宛てに送った日本軍の暴行写真 南京軍事法廷における谷寿夫への判決文 南京軍事法廷での米国人マイナー・シール・ベイツの証言 南京大虐殺の生存者陸李秀英の証言 南京臨時政府調査委員会の調査表 南京軍事法廷が調査した犯罪の証拠 南京大虐殺の案件に対する市民の上申書 外国人日記「南京占領-目撃者の記述」 日本政府は中国の申請はユネスコ記憶遺産の政治利用であると抗議した。登録発表後、日本政府は「資料は中国側の一方的な主張に基づいており、真正性や完全性に問題があることは明らかだ。」として抗議した。日本外務省は「中立公平であるべき国際機関として問題であり、極めて遺憾」「政治利用されることがないよう制度改革を求めていく」との外務報道官談話を発表した。また、日本政府は登録された際には世界第二位の拠出率(アメリカは支払いを停止しているため日本が実質一位)のユネスコの分担金を見直すことを示唆していたが、登録を受けて分担金拠出の凍結の検討に入った。日本の自由民主党や民主党や維新の党など与野党も登録を批判した。毎日新聞はユネスコ世界遺産と無形文化遺産は、登録審議が公開されるが、記憶遺産は審議も勧告内容も非公開であるため透明化が求められていると報じた。このほか藤岡信勝は登録を決定した現事務局長イリナ・ボコヴァは抗日戦争勝利70周年記念式典にも参加した親中派であり、公正性にも疑問があるとした。
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