ユダヤ人の見解
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49 見よ、あなたの妹ソドムの罪はこれである。すなわち彼女と、その娘たちは高ぶり、食物に飽き、安泰に暮していたが、彼らは、乏しい者と貧しい者を助けなかった。50 彼らは高ぶり、わたしの前に憎むべき事をおこなったので、わたしはそれを見た時、彼らを除いた。 —エゼキエル書 16章49-50節 (日本聖書協会訳、1955) 古典的なユダヤ人の書では、ソドム住民の同性愛行為を強調しているのでなく、よそ者に対する残酷さやもてなしの欠如と同じ程度に扱っているとされている。13世紀の学者ナフマニデス(en)は「賢者達によると、彼らは様々な不道徳で名高いが、彼らの悲運は貧しいものを助けなかった点に固執されて知ることができない。」記している。彼と同年代に生きたRabbenu Yonah(en)は「聖書は彼らの慣習「Tzedakah」(慈善または正義)の欠如が破滅を引き起こした」と同じ解釈をしている。ギリシャ正教とローマカトリックが正典に含めるが現代ユダヤ、プロテスタントや他のキリスト教宗派では外典とする知恵の書(または『ソロモンの知恵』)はソドムの物語に触れ、もてなしの心の欠如が罪であったと強調している。 13 また、罪人の上には罰來りしが、それは雷の力をもて、豫め示されししるしによるものなりき。彼等はその惡によりて、苦に逢ひしは正しかりき。彼等がその客に向ひてなせる憎しみは、まことに歎しきごとにてありたればなり。 —ソロモンの知恵19章13節(旧約聖書続篇翻訳委員訳、1934) 12世紀のラビ、モーシェ・ベン=マイモーンによってリスト化された613のミツワーにおける男性同士の性的活動 (#157) および獣姦 (#155-156) の忌諱は、彼らの出典であるLeviticus 18では「ソドミー」の語を含んでいなかった。創世記19章の物語からソドムの邪悪な部分に基づき、男色の表現が発生した。 4 ところが彼らの寝ないうちに、ソドムの町の人々は、若い者も老人も、民がみな四方からきて、その家を囲み、5 ロトに叫んで言った、「今夜おまえの所にきた人々はどこにいるか。それをここに出しなさい。われわれは彼らを知るであろう」。 —創世記19章4-5節 (日本聖書協会訳、1955) 上記の「彼らを知るであろう」の部分は新国際版聖書(New International Version, NIV)では"so that we can have sex with them"(「彼らとセックスできるように」もしくは「そうすれば彼らとセックスできるだろう」といった意味)と訳されている。この箇所のヘブライ語の動詞וְנֵדְעָ֖ה(知る)は聖書において性的な意味合いで使われることもあり、常にその意味で使われている訳はないがこの節はそう解釈できる。その後にロトのショックな反応の記述が続いている。 7 言った、「兄弟たちよ、どうか悪い事はしないでください。 —創世記19章7節(日本聖書協会訳、1955年)
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