ポップ・カルチャーの中の「ルート66」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 06:48 UTC 版)
「国道66号線 (アメリカ合衆国)」の記事における「ポップ・カルチャーの中の「ルート66」」の解説
「ルート66 (曖昧さ回避)」も参照 国道66号線は廃線となったが、「ルート66」は企業の名前として、あるいは文学、音楽、テレビドラマなどでその名が生き続けている。 ガソリンスタンドのフィリップス66(en:Phillips 66)はその一例と言える。オクラホマ州内での国道66号線はほぼ平坦な直線道路だったため、1920年代後半にタルサの石油会社がガソリンの新製品のテストに使用した。テスト中、検査員の1人は速度計を見て「車は時速66マイル(約106km)で走っているようだ」と言った。このときの車の速度と国道の番号をかけて新製品は「フィリップス66」と名付けられた。フィリップス66は後にコノコフィリップス所有のブランドとなったが2012年に精製販売部門がフィリップス66として独立し、現在においても1企業として存在する。 1940年、カリフォルニア州の作家ジョン・スタインベックは『怒りの葡萄』を発表した。この小説にはカリフォルニアに移住するために西進するオクラホマの農家が描かれた。作品中、一家は偏見や貧困といった様々な問題を乗り越え、明るい未来を求めて西へ西へと進み続ける。この小説の中で、スタインベックは西へと向かう道の描写に1節を費やし、節の内容をオクラホマシティと国道66号線に集約させた。この作品の中では、国道66号線は「マザー・ロード」と記された。この「マザー・ロード」は、現在でもこの国道の別名として残っている。後にこの小説がピューリッツァー賞を受賞したことにより、この国道の知名度はさらに高まった。 1946年、ジャズピアニスト・作曲家のボビー・トゥループ(英語版)は、自ら国道66号線を走ってカリフォルニアへ赴き、『ルート66』という楽曲を書き上げた。楽曲のタイトルはトゥループの最初の妻、シンシアが思いついたものであった。ナット・キング・コールの歌唱によりこの楽曲は大ヒットした。この後、この楽曲はジャズ・スタンダードとしてローリング・ストーンズを含む数々のアーティストにカバーされることになった。 「ルート66」にちなんだテレビドラマも放送された。中でも代表的なのは1960年から1964年にかけてCBS系列で放送された『ルート66』である。ドラマ中、シボレー・コルベットに乗った2人の若者、トッド(Tod)とバズ(Buzz)は冒険を求めてアメリカ中のハイウェイを走っていく。しかし、多くのシーンはロケで撮影されたにも拘らず、タイトルとは異なり、実際に国道66号線がロケ現場となることはほとんどなかった。このドラマの放送をきっかけに、コルベットは「ルート66」に最も関係の深い車となった。 ゼネラルモーターズには、コルベットと並んで「ルート66」に関係の深い車、キャデラックがある。テキサス州アマリロの近くにはヴィンテージもののキャデラック10台を並べ、先頭を地中に沈めて立たせたキャデラック・ランチ(英語版)というモニュメントがある。 スポーツの世界にも「ルート66」にちなんだ名前が存在する。NBAの下部リーグ、NBAゲータレード・リーグのタルサ・シックスティシクサーズは国道66号線にちなんで名付けられた。野球のマイナーリーグにも、インランド・エンパイア・シックスティシクサーズ(英語版)というチームがある。 「ルート66」にちなんだファッションとしては、Kマートで売られているジーンズのブランド、「ルート66」が挙げられる。 1995年に公開されたディズニー映画『グーフィー・ムービー ホリデーは最高!!』では、グーフィーとマックスが国道66号線を走ってバカンスに出かける内容となっている。 2006年夏公開のディズニー/ピクサー映画『カーズ』は国道66号線沿線の小さな町を舞台としている。この映画は当初『ルート66』というタイトルで公開される予定であったが、1960年代のテレビドラマ(前述)と混同しやすいという理由から改名された。 アメリカ合衆国のドラマ『プリズンブレイク』にもルート66は登場し、ドラマの個別タイトルにもなっている。
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