ブルガリア憲法裁判所による拒否
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 15:41 UTC 版)
「イスタンブール条約」の記事における「ブルガリア憲法裁判所による拒否」の解説
2018年1月、ブルガリア政府は議会に条約を批准するように提案する決定をした。この決定に対し、すぐさま、一部の閣僚、議員、メディア、市民団体が批判して、最終的に第三の性や同性結婚が正式に認められるようになると主張した。広範囲に反発が広がったことを受けて、第三次ボリソフ内閣(英語版)は条約の批准を延期し、憲法裁判所に対し合法かどうか判断を下すように求めた。批准に反対するルメン・ラデフ大統領は「常識の勝利」として延期を歓迎し、この条約は曖昧であり、家庭内暴力は適切なブルガリア法による対処と法執行の改善でのみ対処可能であると述べた。 ボイコ・ボリソフ首相は、連合相手の極右政党ユナイテッド・パトリオット(英語版)からも支援されなかった自らの政党であるヨーロッパ発展のためのブルガリア市民の孤立に言及した。ボリソフ首相は、野党のブルガリア社会党が同様に断固として条約に反対したことに対し驚きを表明し、社会主義者が完全に欧州連合に反対していると述べた。ブルガリア社会党は断固たる反対を表明し、欧州社会党とコルネーリア・ニノワ(英語版)の下でのブルガリア社会党の新たな政治路線との間に亀裂が生じた。社会主義者の「Vision for Bulgaria」プログラムによれば、条約には女性を守る意図はなく、ヨーロッパ文明の基本的な価値観に反している、とされる。 2018年7月27日、憲法裁判所は憲法訴訟第3号(2018年)に対する決議第13号を発して、「女性に対する暴力と家庭内暴力の防止と撲滅に関する欧州評議会条約はブルガリア憲法に適応しない」と述べた。裁判所は、以前の女性に対する暴力反対に関する欧州評議会の文書とトランスジェンダーの権利(英語版)の拡張に関連性があることを確認した。憲法裁判所によれば、条約により生物学的と社会的の両方のカテゴリーでジェンダーの二つの解釈が与えられるが、決定的に人間が生物学的に男と女で定義され、市民として対等な立場であるがゆえに、憲法に矛盾しているとされる。それゆえ、条約には、非生物学的なジェンダーの定義を促進する公式な根拠があり、違憲と見なされたのである。 女性の権利団体はブルガリア政府が条約を批准しないと決定したことに憤りを表した。2018年11月、女性に対する暴力撤廃の国際デーの機会で、数百人の人々が#YouAreNotAlone (#НеСиСама)をモットーに、ソフィア中心部で女性への暴力反対のデモを起こし、被害者のための予防プログラムと避難所の創設を含む、制度上の効果的な行動を要求した。the Bulgarian Fond for Womenは、2018年の最初の11か月で、ブルガリアで30人近くの女性が殺害され、そのほとんどがパートナーによって殺害されたという事実に言及した。
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