モーツァルト:ピアノ協奏曲 第18番 変ロ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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モーツァルト:ピアノ協奏曲 第18番 変ロ長調 | Konzert für Klavier und Orchester Nr.18 B-Dur K.456 | 作曲年: 1784年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro vivace | 11分30秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Andante un poco sostenuto | 9分30秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Allegro vivace | 7分00秒 | No Image |
作品解説
1784年のモーツァルトはヴィーンでの人気に後押しされて6曲ものピアノ協奏曲を生み出した。この5曲目のピアノ協奏曲は、9月30日、盲目の女性ピアニストM. P. パラディスのために作曲されたものである。サリエリの弟子である彼女は、巧みにピアノを弾き、作曲もこなす音楽家であった。モーツァルトとは83年にザルツブルクで出会っており、ヨーロッパ・ツァー用に作品を依頼したのだろうと考えられている。
モーツァルト自身も翌年2月にこの協奏曲を演奏した。それを聴いた父レオポルトは、充実した楽器法に「喜びで涙が出た」とモーツァルトの姉ナンネルに書き送っている。また、その書簡には、皇帝もまた「ブラヴォー、モーツァルト」と叫び絶賛していたことが記され、演奏会の盛り上がりぶりが明らかになっている。
作曲家自身によるカデンツァは、第1楽章に3種、第3楽章に2種、そしてアインガングは第3楽章にひとつ残されている。
第1楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ、変ロ長調、4/4拍子。協奏的ソナタ形式。喜ばしい明るさに満ちた楽章。ピアノはスケールやアルペジオを利用した動きが目立つ。
第2楽章:アンダンテ・ウン・ポコ・ソステヌート、ト短調、2/4拍子。変奏形式。主題と5つの変奏から成る。モーツァルトの短調に独特な美しさと前進力をもった楽章である。
第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ、変ロ長調、6/8拍子。ロンド形式。前楽章とは打って変わって明るく華やかなフィナーレ。とはいえ、途中にはロ短調の激しい部分を含み、陰影を見せている。
ピアノ協奏曲第18番 (モーツァルト)
(ピアノ協奏曲第18番 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 02:33 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動ピアノ協奏曲第18番 変ロ長調 K. 456 は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1784年に作曲したピアノ協奏曲である。
概要
本作は1784年の9月30日にウィーンで作曲され、オーストリア出身の盲目のピアニストマリア・テレジア・フォン・パラディスのために作曲されたものである。これは恐らく同年にザルツブルクで会ったパラディスのパリへの演奏旅行のために作曲されたものと考えられている。なおパラディスは後にこの曲をレパートリーとして多く弾いている。
翌年の1785年2月13日に、モーツァルトはラスキ婦人というソプラノ歌手の演奏会に客演し、その際に本作を演奏したという(モーツァルトはピアノを担当)。この年の2月から4月まで、息子の様子を見にウィーンに来ていた父レオポルトもその演奏会に臨んでおり、また同じく皇帝ヨーゼフ2世も臨席していた。ちなみに演奏が終わると、レオポルトは作品の美しさに感涙し、ヨーゼフ2世は「ブラヴォー、モーツァルト!」と叫んだという逸話が伝わっている。
モーツァルトの弟子のヨハン・ネポムク・フンメルは、本作をピアノ・フルート・ヴァイオリン・チェロ用の編曲を残しており、白神典子らが録音している。また、フンメルはピアノ独奏用の編曲も残している。
楽器編成
独奏ピアノ、フルート2、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、弦五部。
曲の構成
全3楽章、演奏時間は約29分。第2楽章の変奏曲の主題は、1年半後に完成されるオペラ『フィガロの結婚』第4幕におけるバルバリーナのアリアと酷似している。これに限らず、第1楽章の主題も『フィガロの結婚』に共通するような軽快さが指摘される。
- 第3楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ
- 変ロ長調、8分の6拍子、ロンド形式。
外部リンク
- ピアノ協奏曲第18番 変ロ長調 K. 456の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
- ピアノ協奏曲 第18番 変ロ長調 K.456 - Mozart con grazia
- 『新モーツァルト全集』におけるKonzert in B KV 456の楽譜及び校訂報告 (ドイツ語)
「ピアノ協奏曲 第18番」の例文・使い方・用例・文例
- ピアノ協奏曲
- その曲はピアノ協奏曲に編集された。
- 6月21日の本選で,上原さんはチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」とラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」を演奏した。
- そのとき,彼女は偶然,ラヴェルのピアノ協奏曲を聞き,自分と千秋(玉(たま)木(き)宏(ひろし))が舞台でその曲を一緒に演奏している姿を想像する。
- 千秋は彼女がショパンのピアノ協奏曲を演奏するのを見るためにはるばるプラハまで行く。
- 内田さんはクリーブランド管弦楽団と共演したモーツァルトのピアノ協奏曲の演奏で最優秀器楽ソリスト演奏(オーケストラとの共演)賞を受賞した。
- 浅田選手は,ショートプログラムではショパンのノクターンのうちの1曲,フリーではラフマニノフのピアノ協奏曲第2番に合わせて演技すると述べた。
- フリーについて,浅田選手は「私はラフマニノフのピアノ協奏曲がとても好きです。」と述べた。
- 翌日のフリーでは浅田選手はラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」に合わせて滑った。
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