ヒラタクワガタ亜属 Serrognathus
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 08:54 UTC 版)
「オオクワガタ属」の記事における「ヒラタクワガタ亜属 Serrognathus」の解説
オオヒラタクワガタ Dorcus titanus - 東南アジアから東アジアまでの広範囲に生息する。非常に多くの亜種に分かれており、日本のヒラタクワガタもこれに含まれる。しかし、普通オオヒラタクワガタといえば東南アジアのもの、或いはその中でも原名亜種のみのことを指す。いずれの亜種も日本産の亜種と生態が似ており、外国産クワガタムシの入門種として知られる。さらに、生体が丈夫であり簡単に採集することもできるため、大量に輸入されている。日本列島産の亜種とも容易に交雑してしまうため、輸入個体の在来個体群に対する遺伝子浸透の悪影響が懸念されている。産地・亜種・雌雄を問わず、非常に凶暴であることで知られる。原名亜種 D.t.titanus - マレー半島と東南アジア島嶼部に生息する。スマトラ島産のものは大顎が太いため人気がある。 パラワンオオヒラタクワガタ D.t.palawanicus - パラワン島に生息する。本亜属中最大で、かつ本属全体でも最大、クワガタムシ科全体から見ても最大クラスである。しばしば世界最強のクワガタと言われる。 D.t.westermanni - 東南アジア大陸部に生息する。 D.t.platymelus - 中国に生息する。 D.t.castanicolor - 朝鮮半島に生息する。ツシマヒラタクワガタと同じ亜種。 タイワンオオヒラタクワガタ D.t.sika - 台湾に生息する。 ヒラタクワガタ Dorcus titanus ssp. - 体が平たいクワガタムシの中でも特に平たく、狭い洞・木皮の裏や倒木の裏にも簡単に入り込んでしまう。Dorcus titanusの中でも日本に生息する以下の亜種のことを呼ぶことが多い。 原名亜種 D.t.pilifer - 本州・四国・九州とその周辺に生息する。種名と区別するために「ホンドヒラタクワガタ」と呼ぶことがある。南方から日本列島に到達した系統のヒラタクワガタで、しばしばこれに含められがちな九州本島北部や中国地方西部の個体群は、近年の遺伝子解析でむしろ後述のツシマヒラタクワガタの系統に属すると考えられている。 ハチジョウヒラタクワガタ D.t.hachijoensis - 八丈島に生息する。地上性で、全体的にやや細長い。 ゴトウヒラタクワガタ D.t.karasuyamai - 五島列島に生息する。大アゴがやや細長い。 アマミヒラタクワガタ D.t.elegans - 奄美大島に生息する。第一内歯が中央にくるほか、大アゴ自体が太い。 トクノシマヒラタクワガタ D.t.tokunoshimaensis - 徳之島に生息する。内歯が中央に位置し、大型になるが、大アゴは体の割りに短い。 タカラヒラタクワガタ D.t.takaraensis - 宝島および小宝島に生息する。全体的にずんぐりとしている。 オキノエラブヒラタクワガタ D.t.okinoerabuensis - 沖永良部島に生息する。 オキナワヒラタクワガタ D.t.okinawanus - 沖縄本島とその周辺に生息する。 ダイトウヒラタクワガタ D.t.daitoensis - 大東諸島に生息する。第一内歯が根元付近にやや下向きにつく。あまり大型にならない。 サキシマヒラタクワガタ D.t.sakishimanus - 先島諸島に生息する。第一内歯がほぼ中央にくる。 ツシマヒラタクワガタ D.t.castanicolor フクエヒラタクワガタ D.t.karasuyamai - 福江島に生息する。ツシマヒラタクワガタと異なる亜種とすることは疑問視されている。 イキヒラタクワガタ D.t.tatsutai - 壱岐島に生息する。ツシマヒラタクワガタと異なる亜種とすることは疑問視されている。 アルキデスヒラタクワガタ Dorcus alcides - スマトラ島に生息する。種間変異が著しいことで知られる。大顎の形状は、大別すると大きな内歯を持つ短歯型と内歯が目立たない長歯型の二型に分けられる。力はトップクラス。 ダイオウヒラタクワガタ Dorcus bucephalus - ジャワ島に生息する。東と西で大顎の変異が見られ、それぞれ「イーストジャワ」、「ウエストジャワ」と呼ばれる。大顎が前後に押し縮められたような形状を呈し、全体的にずんぐりとした体形を有する。 ユーリケファスヒラタクワガタ Drcus eurycephalus - ジャワ島に生息する。短歯型は内歯が根元付近に2本、先端に1本つき、長歯型ではまた違った構造になる。 ヒペリオンヒラタクワガタ Dorcus hyperion - 唯一の内歯が基部付近に見られ、2つに割れている。ヒラタクワガタ属が統合されたことを受けて、「ヒペリオンオオクワガタ」と呼ぶことも一般的になっている。原名亜種 D.h.hyperion - ミャンマー北部に生息する。 D.h.idei - チン州に生息する。 トラキクスヒラタクワガタ Dorcus thoracicus - カリマンタン島に生息する。大顎が独特の形をしている。小型の内歯が2本根元寄りにつく。 スジブトヒラタクワガタ Dorcus metacostatus チョウセンヒラタクワガタ Dorcus consentaneus
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