ヒカルメイジとヒンドスタン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 03:25 UTC 版)
「ボワルセル系」の記事における「ヒカルメイジとヒンドスタン」の解説
ヒカルメイジとヒンドスタンは、ともにボワルセルの産駒で、日本で種牡馬として成功した。 イサベリーンの持込であるヒカルメイジは、優れた能力を示し、特に3歳以降は10戦して8勝2着2回で、日本ダービーはレコードでの勝利だった。1958年から種牡馬となった。ヒンドスタンは8戦2勝で、2度の勝利は愛ダービーとセントジョージステークスという馬であった。アイルランドで7年間供用された後日本に輸入され、1957年から日本で種牡馬生活を開始した。 両馬の種牡馬成績の概要としては、ヒンドスタンが1961-1965, 1967-1968年の7度日本首位種牡馬、ヒカルメイジは1963年の8位、1965年の7位と2度種牡馬ランキングのトップ10に名を連ねた。また、同時期にテヘラン産駒のゴールドアロー、タルヤー産駒のタリヤートスも日本で種牡馬として供用され、大競走の勝ち馬こそ出なかったものの、多数の重賞馬を輩出している。1960年代は日本におけるボワルセル系の全盛期であった。 ヒンドスタンは多数の後継種牡馬を残したが、1960年代、70年代の内国産種牡馬不遇の時代の最中、成功できたのはシンザンやダイコーターなど一握りだった。ヒカルメイジの後継種牡馬も全て失敗に終わっている。 菊花賞馬ダイコーターは当初全く人気が無く、毎年1桁台の産駒しかいなかった。ごく少ない産駒からホウシュウリッチやホウシュウミサイルを出すと、徐々に人気が出て、種牡馬ランキング20位以内に3回(最高は1981年の4位)入った。高齢になってからもニシノライデンやプレジデントシチーを出している。なお、日本におけるボワルセル系最後の大レース勝ち馬は、ダイコーター産駒一介の条件馬に過ぎないブゼンダイオーが出した、コスモドリーム(1988年オークス)である。 別のヒンドスタン産駒で、大レースに勝てなかったリュウファーロスも、少ない産駒からリュウキコウやアンドレアモンなど活躍馬を出した。 ヒンドスタン産駒で最大の成功を収めたのはシンザンである。シンザンは三冠の他、天皇賞(秋)や有馬記念、宝塚記念を制した日本競馬史上有数の名馬だった。1970年代前半にほぼ唯一の内国産成功種牡馬として地位を確立すると、1978,79年に種牡馬ランキング3位に付けた。特に1975年生まれ世代の獲得賞金は10億円を超えており、JBISのデータ上は全種牡馬中トップで産駒世代別リーディングサイアーとなっている。産駒のうち晩年に生まれたミホシンザンは皐月賞や菊花賞、天皇賞(春)を制した。 シンザンも後継種牡馬を何頭か残し、ミホシンザンとハシコトブキが重賞馬を2頭ずつ出した。更にミホシンザン産駒のマイシンザンが種牡馬となり、21世紀初頭まで父系が残っていた。2019年現在では、乗用種のセルシオーレを残すのみとなっている。 ヒカルメイジ 1954(日ダービー) |アサホコ 1960(天皇賞(春)) |グレートヨルカ 1960(菊花賞) ヒンドスタン 1946(愛ダービー、日首位種牡馬7回)→スギヒメ、ケンホウ |ヤマニンモアー 1957(天皇賞(秋)) |リュウフォーレル 1959(天皇賞(秋)、有馬記念、宝塚記念) |ヒカルポーラ 1959(春天皇(春)、宝塚記念) |ヤマトキョウダイ 1960(天皇賞(秋)、有馬記念) |アサカオー 1965(菊花賞) |ワイルドモア 1966(皐月賞) |シンツバメ 1968(皐月賞) |ハクショウ 1968(日ダービー) |ハクホオショウ 1969(安田記念) |ダイコーター 1962(菊花賞) ||ブゼンダイオー 1974→コスモドリーム ||ニシノライデン 1982(阪神大賞典、京都新聞杯、鳴尾記念、大阪杯) ||プレジデントシチー 1983(朝日CC、小倉記念、ブリーダーズGC) |リュウファーロス 1963(阪神大賞典) ||アンドレアモン 1979(フェブラリーH、ウインターS) |||ローリエアンドレ 1989(ウィンターS) |シンザン 1961(日三冠、天皇賞(秋)、有馬記念、宝塚記念) ||ハシコトブキ 1974(朝日CC、京都記念) ||ミナガワマンナ 1978(菊花賞) ||ミホシンザン 1982(皐月賞、菊花賞、天皇賞(春)) |||グランドシンザン 1994(愛知杯) |||マイシンザン 1990(NHK杯、朝日CC) ||||シルクセレクション 1998(地方26勝) ||||マイティシンザン 2003(シンザン系最後の競走馬) ||エキスパート 1985(馬術競技馬) |||(乗用種)セルシオーレ 2003(馬術競技馬)種牡馬 1980年以前産は八大競走優勝馬又は、重賞勝利産駒を有する種牡馬、1981-85年産は重賞複数勝利馬に限る
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