バロック芸術の成立とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > バロック芸術の成立の意味・解説 

バロック芸術の成立

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 09:27 UTC 版)

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ」の記事における「バロック芸術の成立」の解説

カラヴァッジョは「陰 (oscuro) をキアロスクーロ (chiaroscuro) へと昇華したといわれるキアロスクーロ自体カラヴァッジョ以前から長らく使われてきた手法だが、一方向からまばゆく射す光を光源として段階的な陰影をつけて描かれた対象物を浮かび上がらせる表現カラヴァッジョ絵画技法として確立したのであるカラヴァッジョ持っていた肉体面、精神面両方対する鋭い写実的な観察眼によって成立したもので、とくに宗教絵画においてカラヴァッジョ直面した数々課題通じて形成されていったカラヴァッジョ絵画制作速度非常に速くモデル前にしたまま基本的な部分最後まで描き上げることが出来たカラヴァッジョ描いた下絵ドローイング)はほとんど現存しておらず、このことはカラヴァッジョが紙などに下絵を描くことなくキャンバスにいきなり描き始め手法好んでいたためと考えられている。これは当時熟練した画家たちからは忌み嫌われていた手法で、旧来の画家からはカラヴァッジョ下絵から描き始めないことと、人物像理想化して描かないことを声高に非難された。しかしながら人物理想化することなく写実的に描くことはカラヴァッジョにとってはごく当然のことだった。 写実的に絵画描かれた人物像のモデルが誰なのかが判別している者もいる。よく知られているのは後にカラヴァッジョ作風受け継いだ画家となったマリオ・ ミンニーティとフランチェスコ・ボネリで、ミンニーティは初期世俗的な作品に、ボネリは天使洗礼者ヨハネダビデとしてカラヴァッジョ後期の作品それぞれ描かれている。女性モデルには『フィリデの肖像 (Portrait of Fillide)』(1597年 - 1599年)に描かれているフィリデ・メランドローニ、『聖マタイマグダラのマリア』に描かれているアンナ・ビアンキーニ、法廷記録の「アーティチョーク事件」にレナという名前で記載されているカラヴァッジョ愛人マッダレーナ・アントネッティらがいるが、全員当時有名だった娼婦であり、カラヴァッジョ彼女たち聖母マリアなど様々な聖人のモデルとして多く宗教絵画描いたカラヴァッジョ自身肖像も数絵画登場人物として描いている。最後自画像は『聖ウルスラ殉教 (The Martyrdom of Saint Ursula)』の右端描かれている男性像である。 カラヴァッジョ決定的な瞬間誰にも真似できないほどに鮮やかに切り取って描く優れた能力持っていた。『エマオの晩餐』はキリスト弟子だったクレオパが、夕食をともにしている人物復活したキリストだと気がつく場面描いた絵画で、直前までメシアの死を嘆く旅人であり宿屋主人が目もくれていなかった人物だったものが、突然救世主として再臨しその瞬間劇的に表現した作品である。『聖マタイの召命』ではマタイ自分指差して「私ですか?」と問いかけているかのように描かれているが、その両目キリスト注がれ「私は貴方のしもべです」と応えており、マタイ自分使命目覚めた瞬間描き出した絵画である。『ラザロの蘇生』では死人復活する瞬間捉えたさらに進んだ表現なされている。ラザロ胴体断末魔の死後硬直の状態にあるが、手はすでに復活しキリストのほうを向いている。

※この「バロック芸術の成立」の解説は、「ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ」の解説の一部です。
「バロック芸術の成立」を含む「ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ」の記事については、「ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「バロック芸術の成立」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「バロック芸術の成立」の関連用語

バロック芸術の成立のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



バロック芸術の成立のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS