バロック音楽との関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 12:42 UTC 版)
「交響曲第7番 (マーラー)」の記事における「バロック音楽との関連」の解説
第7番の第1楽章冒頭の引きずるようなリズムは、バロック音楽のフランス風序曲を思わせるが、この序奏がロ短調であることと、J.S.バッハの管弦楽組曲第2番が同じくロ短調であることは、無関係ではないと見られる。第7番の作曲当時、マーラーはバッハ作品を作曲小屋に持ち込んでいたとされる。また、第7番完成から4年後の1909年11月10日、マーラーはニューヨーク・フィルハーモニックを指揮してJ.S.バッハの管弦楽組曲の編曲版を演奏している。これは、管弦楽組曲第2番(ロ短調)と第3番(ニ長調)から5曲を抜粋して次のような4楽章構成としたもので、具体的な編曲時期は定かでないものの、マーラーがこの曲を手がけた事実から、自身の交響曲の構成などに影響があったと考えることも可能である。 序曲(管弦楽組曲第2番の第1曲「序曲」 ロ短調) ロンドとバディヌリー(第2番の第2曲「ロンド」を始めと終わりに置き、同第7曲「バディヌリー」を「中間部」とした三部形式 ロ短調) エール(管弦楽組曲第3番の第2曲「エール」 ニ長調) ガヴォット(第3番の第3曲「ガヴォット」 ニ長調) また、終楽章でロンド主題が様々なエピソードを間に挟み、何度も繰り返される形式は、バロック時代のリトルネロ形式や合奏協奏曲を意識していたとも考えられる。アレグロ・オルディナリオ(Allegro ordinario 通常のアレグロ)という速度表示もバロック時代に見られるもので、古典派以降ではほとんど使われておらず、マーラーが「古典派」以前のバロック時代を念頭に置いていたことを示すという解釈である。
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