ハイズヴィル事件とは? わかりやすく解説

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ハイズヴィル事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 10:18 UTC 版)

心霊主義」の記事における「ハイズヴィル事件」の解説

心霊主義スピリチュアリズム)、心霊ブームは、1848年フォックス姉妹によるハイズヴィル事件が大きな契機となった。この事件当事者フォックス姉妹の姉マーガレットは、40年後にこの事件インチキであり、ラップ音膝関節脱臼させて出していたと告白しているが、告白当時マーガレット金銭的に困窮しており、更にのちにインチキという告白自体否定している。事件真実については様々な見解があるが、当時社会的な影響絶大であったことに疑いはない。 知られている事件の内容次の通りである。ニューヨーク郊外ハイズヴィルに、メソジスト農夫ジョン・フォックスJohn Fox一家引っ越してきた。間もなくフォックス家の姉妹マーガレットMargaret15歳)とケイトKate12歳)は、家で原因不明不思議な物音ラップ音、叩音)がするというポルターガイスト現象体験した母親が子どもの年齢などを質問すると、ラップ音によって回答があり、ラップ音死者の霊の仕業であり、姉妹は音によって霊と交信できるようになったとされている。名古屋大学吉村正和は、ハイズヴィル事件での音による霊との交信は、その数年前電信機発明と普及による、「情報瞬時遠方に伝わる」という衝撃的体験影響があり、電信技術発想精神世界応用したのである指摘している。死者との交信がコツコツ・トントンというモールス信号のような音で行われたことがそうした事情物語っているという。 この事件の噂は広まり、心配した両親ケイトニューヨーク州オーバーンに、マーガレット結婚してロチェスターに住む一番上の姉リアLeah20代半ば)に預けたリアロチェスター音楽教室経営していたが、妹たち心霊現象の噂で生徒失ったため、マーガレット霊媒として交霊会を行うようになり、マーガレット起こす心霊現象調査する委員会組織した。姉のリアによるマネージメントマーガレット霊媒として活躍し、やがてニューヨーク市見世物興行当時有名だったバーナム・ミュージアム(Barnum's American Museum)でも交霊会心霊現象興行行なううなった交霊会興業は、天才的山師プロデューサーP・T・バーナム担当したペテンだと抗議する声も大きかったが、大成功終わり、むしろ抗議宣伝役割果たし、霊との交信という奇跡信じる人は増えた参加費高額設定であったにもかかわらず交霊会にはあらゆる階級の人が押しかけた。フォックス姉妹ニューヨーク活動拠点移し、2か月わたって交霊会開催し霊媒としての地位確立した参加者最近親しい人を亡くし悲しむ人などが多く交霊会実際に死者との心の交流体験し、死を次の生へ通過点見なすことで、心の慰め得ていた。 吉村正和は、姉妹現代における精神分析カウンセラーのような機能果たしていたと述べている。なお、ハイズヴィル事件においてフォックス姉妹サポートしたのは、奴隷制廃止運動活躍している急進派クエーカー夫婦だった。キリスト教新興宗派心霊主義は、千年王国思想ユートピア思想という思想的共通点によって結びついていたのである。 霊との交信方法も、ラップ音からアルファベット使用する方法トランス状態での自動筆記楽器がなった動いたり、霊そのもの現れ物質化現象参加者の髪をひっぱるなど、交霊会での心霊現象エスカレートしていった。

※この「ハイズヴィル事件」の解説は、「心霊主義」の解説の一部です。
「ハイズヴィル事件」を含む「心霊主義」の記事については、「心霊主義」の概要を参照ください。

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