ドングルとは? わかりやすく解説

ドングル【dongle】

読み方:どんぐる

ソフトウエア不正使用防止コピープロテクションのために、USBポート差し込んで用いコネクター状の機器。また俗に、それに似た形状小型機全般を指すこともある。


ドングル

【英】dongle

ドングルとは、主に、ソフトウェア不正使用防止のために用いられる取り付け式の小型装置のことである。

ソフトウェアにドングルが同梱されている場合、ドングルを装着しないとそのソフトウェア起動することができないか起動できたとしても使用できる機能時間などが制限されてしまう。こうした機能搭載することでソフトウェア不正なコピー防止することができる。

ドングルはUSBポートパラレルポート差し込んで用い形態一般的である。

なお、PS/2ポートUSBインターフェースデバイス接続するために仕様されるコネクタ指してドングルという場合もある。


ドングル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/24 20:41 UTC 版)

USBドングル。このほかパラレルポートに接続するタイプのドングルもある
Huawei E220 HSDPA USBモデム。通称「ドングル」と呼ばれる。

ドングル: dongle)は、コンピュータに接続する小さな装置を指す俗語。もともとは主にプロプライエタリソフトウェアが正規のライセンスの下に使用されているかをチェック(一種のコピーガードの目的)するために使用されるごく小さなハードウェア(プロテクトドングル)のことを指していた。それ以外には、PS/2コネクタUSBマウスを接続するために使用される変換コネクタなど、インタフェースの変換を行う小型の装置や、モバイルブロードバンドで使用するUSBモデム端末など、そういった小さな装置を一般になんでも指すことができる語であり、近年はそちらの用法のほうがよく見られる。

プロテクトドングル

近年ではもっぱらUSBに装着する。USB以前(レガシーデバイス)の時代にはパラレルポート、ないしシリアルポートが使われていた。

コンピュータプログラムの起動時や実行中にドングルが装着されていることをチェックし、装着されていることを検出できない場合、ソフトウェアは起動しないか、または使用できる時間や機能などが制限される。

3DCGソフト、CAD/CAM/CAEソフトのような高価なものには以前から使われていたが、近年ではビジネスユース・ワークユースの安価なソフトウェアにもUSBタイプのドングルが使われている。方式はさまざまであるが、最近では、インストールしたパソコンを識別し、多重インストールを防ぐなどの目的でインストールしたマシンの一部のシステム情報をフラッシュメモリで書換え保存できる仕様にしているものも存在する。

特定業務用にカスタム開発されるソフトウェアにおいて、ライセンス管理やソフトウェアの社外流出防止のためにも使用されてきている。ソフトウェアを使用可能なコンピュータの台数はドングルの数までと明確であり、また、コンピュータが故障した場合などにアクティベーション方式で生じる問題点(アクティベーション#問題点・課題点の項を参照)を回避できる、ソフトウェアとドングルの納品後はライセンス管理をユーザー会社内のみで行える、などのメリットがあるためである。他方で、ドングルの故障・破損・紛失などの場合にはソフトが使用不能になり、代替品を入手するまでは作業ができなくなる場合もある、さらには固有のシリアルナンバーでデータを管理している場合には、ソフトメーカーにドングルを再登録・再発行する手続きが必要となるため作業停滞が長期間に及ぶ、などというデメリットが発生する場合もある。

類似のものとして、無線LANVPNを利用する際に、正当な利用者であることを証明するセキュリティトークンとして、認証情報の入ったドングルをPCに装着することが求められる場合がある。

紛失の予防などハンドリング上の理由からか、ある程度の大きさのものが多い。

語源

1980年代から使われ始めたが、語源は不明である。おそらくは「dangle(動詞:ぶらぶらと垂れ下がっている、の意)」や「dong(男性器を意味する俗語)」から連想された造語ではないかとされる[1]

ジャーゴンファイルの「dongle」の項によれば、1992年の早期にRainbow Technologiesというドングルの製造者が、発明者の「Don Gall」に由来する、と宣伝のコピーにしていたことがあったが、これは宣伝用の作り話であることが確認されている[2]

メーカー

世界的に、下記四社がシェアを四分している。

Sentinelシリーズは、米国Rainbow Technologies社のプロダクトであったが、2004年にRainbow Technologies社とSafeNet社が合併し、SafeNet社のプロダクトに加えられた。2010年4月1日、SafeNet社、Aladdin社との統合を完了。HASPシリーズもSafeNet社が販売。現在はSentinel LDKと名称を変更して販売している。UniKeyシリーズは、中国のSecuTech社により開発された製品である。最先端のクラッキング防止技術を利用し、優れているコストパフォーマンスを備えている。SecuTech社より直販となる。Rockeyシリーズは、中国の大手セキュリティメーカFeitian Technologies社の商品である、ICカード技術を活用した最先端的なドングル製品群もある。その他メーカーは以下。

インタフェース変換ドングル

インタフェース変換を行う小型の装置のこともドングルと呼ぶ。以下のように、多種多様なドングルがある。

  • PS/2コネクタ - USB
    PS/2コネクタにUSBキーボードやマウスを接続するためのドングル。USBキーボードやマウスに同梱されていることも多い。同梱されているマウスやキーボードでの使用に特化し、他と互換性のないものも一部存在する。
  • USB‐PS/2
    USBポートにPS/2キーボードやマウスを接続するためのドングル。使い慣れたキーボードやマウスを使い続けたい上級ユーザーが購入することが多い。
  • USB‐ADB
    iMac 以降のMacintoshに従来のMacintosh/NeXT用キーボードやマウス、タブレットを接続するためのもの。
  • USB - RS-422
    iMac 以降のMacintoshに従来のMacintosh用・Newton用シリアル接続の周辺機器を接続するためのもの。
  • DVI‐RGB
    ビデオカードのDVI-IまたはDVI-A出力端子に、アナログRGBのディスプレイを接続するためのドングル。DVIのデジタル信号をアナログRGB信号に変換することはできない。
  • RGB‐DVI
    ビデオカードのRGB出力端子に、DVI接続のディスプレイを接続するためのドングル。アナログRGB信号をDVIのデジタル信号に変換することはできない。したがってディスプレイ側のDVI端子がアナログRGB入力に対応したDVI-IまたはDVI-Aである必要がある。
  • USB - SCSI
    USBをSCSIカードの代わりに使用するドングル。SCSI機器自体の減少から需要は減っているものの、今でもSCSI機器が使いたいというユーザーからは人気がある。
  • USB - IrDA
    USB接続のIrDAインタフェースで、とくにケーブルがなく本体から出っ張るような形になるもの。
  • USB - Bluetooth - 上記と同様。
  • USB - 無線LAN - 上記と同様。
  • RS-232C
    RS-232Cのコネクタには、ピン数やオス・メスなどさまざまなものがある。それらを相互接続するためのドングルもまた多種多様に存在する。

その他、PCカードイーサネットアダプタやモデムに付属している、カードとケーブルを結ぶ短い中継ケーブルであるメディアカプラ(俗にいう「しっぽ」)のこともドングルと呼ぶことがある。

実際に採用された製品例

  1. ^ https://www.etymonline.com/word/dongle
  2. ^ http://www.catb.org/jargon/html/D/dongle.html
  3. ^ 十条電子(株)|埼玉県川口市 − 倒産情報 東京経済ニュース

関連項目


ドングル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/30 05:47 UTC 版)

ハードウェアDRM」の記事における「ドングル」の解説

詳細は「ドングル」を参照 ドングル(英: dongle)は、ソフトウェアおよびコンテンツコピープロテクトのためにコンピュータ入出力ポート接続する小さなデバイスである。ドングルが接続し、ドングルの検証処理が正常に動作している場合ソフトウェア正しく起動動作するが、ドングルが切断・処理中断した場合ソフトウェア動作停止する。ドングルを用いたコピープロテクトでは、ソフトウェアコンテンツデータ自体はコピーフリーな状態にあるが、ソフトウェアコンテンツ利用にはドングルが必要であり、実質的にコピープロテクトな状態にある。ドングルの検証処理は基本的にユーザー書き換えることは想定されていないが、ドングルの検証処理部をカスタマイズすること前提にしたドングル製品存在する

※この「ドングル」の解説は、「ハードウェアDRM」の解説の一部です。
「ドングル」を含む「ハードウェアDRM」の記事については、「ハードウェアDRM」の概要を参照ください。

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