テープのグレードとは? わかりやすく解説

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テープのグレード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/23 21:18 UTC 版)

ノーマルポジション」の記事における「テープのグレード」の解説

ノーマルポジション中にはオープンリール用のスタンダードグレード(以下STD)、コンパクトカセットでよく使用されるLN(ローノイズ/Low Noise)、LNよりもアウトプットレベルを改善して音質を向上させ、音楽録音用途にも対応させたLLH(Low-Class Low Noise High Output)、音楽録音用途に最適化されたLHLow Noise High Output)、LH対し特別に音楽録音用専用最適化されたSLHSuper Low Noise High Output)が存在するSTD 磁性体はそのほとんどがオープンリールSTDテープ用に開発されたものが転用された。ノーマルポジションの中で最下位グレードであり、初期テープ全てこのグレードであったコンパクトカセットでもごく初期利用していたが、テープ走行速度遅さ当時録音性能ではヒスノイズ抑えることや、音質の向上は望めず、ほぼ会話録音用に限定されていた。初期のフィリップスカセット、および東京電気化学(以下、および現在のTDK)のシンクロカセット、日立マクセル(以下、および現在のマクセル)のC、ポピュラーソニーのマガジンテープ、日本コロムビア音響機器事業部現在のディーアンドエムホールディングス)の初代TRKBON香港)のほか、2019年現在新品購入可能なHIDISCオリジナルカセットテープ、中国製ザ・ダイソーオリジナルカセットテープなどはこのグレードである。 LN STDテープ対しS/N比音質)もやや改善し会議録音のほか音楽録音用にも耐えうるべく汎用性高めたのがLN(ローノイズ)である。1968年従来STDテープ代替として段階的に製品化された。コンパクトカセットでは最もベーシック普及グレードとされ、特にモノラルラジカセやモノラルテープレコーダーではこのLNテープ調整されることが多い。代表的なLNテープに、TDKのF、LN、D(カセット郵便(UC)含む)、DSJYソニーのC(LN)、CHFマクセルUL初代2代目)UN日本コロムビア2代目TRK1Hなどが存在していたが、後に製造メーカーのほとんどが後述するLLHグレード移行統合されるかたちで日本国内では1980年代中期までに製造・販売全て完了した。 LLH 本来LNテープ用に開発され磁性体さらなる微粒子化前提として改良加えLNテープ対し中高域のMOLS/N比をやや改善させたグレード特性上、LNLH中間位置するノーマルポジションカセットテープグレードとしては最も後発にあたり1979年12月発売開始した日本コロムビアDENONブランド)のDX1が初出。DX1の成功で他の製造メーカー順次、これに追従する形で従来LNテープ段階的にLLHグレード置き換えていった。2019年8月現在、現行製品として発売されているノーマルポジションカセットテープの全製品が実はこのグレードであり、マクセルUR、および3代目UL現行製品ザ・ダイソー専売)、UDデザイン復刻版田、ナガオカ CT(旧・ナガオカ CC)などがこれに該当するまた、過去代表的なLLHテープとしてソニー3代目以降HFのほか、TDKイメーションの同ブランド品含む)のAE富士フイルムAXIAブランド)のA1、パナソニックPX基本的にTDKAEOEMだが最末期マクセルUROEM)などが存在していた。 LH 後発のLLHより更に高域性能優れ、γ-ヘマタイト酸化鉄磁性体密度多くしたり、細粒子化、2層塗布AXIAのダブルコーティングが有名)、本来はビデオテープ、およびハイクロムポジションカセットテープ開発されたコバルトドープ酸化鉄磁性体混合し実現している。コンパクトカセットでは実質LNLHわかれており、LHの中でさらに低級ノーマル、および標準ノーマル、高級ノーマルの3タイプグレード分け存在する1968年11月米国先行発売されたTDK初代SD初出となっており、代表的なLHテープに、ソニーHi-Fi(のちの初代HF)、BHFAHFHF-SHF-XHF-ESHF-PROPOPSClassicVocal、CDiXI、TDKSDADAD-SEDODAD-XARAR-X、CDingI、マクセルUDUDI、UD-XLI、XLI、XLI-S、HB-1(響ノーマル)、COLOR CLUB月刊Stereo2019年11月特別付録UD60FMなどが存在していた。高級ノーマルテープは中低域のMOL特性がかつてのメタルテープ比べておよそ0.5db程度にまで匹敵するものがあり、メタルテープ同様録音レベルを+2~3db高く入力することが推奨されていた。コンパクトカセットでは、スタンダードテープの録音時の標準バイアス量を100%とすると、LHテープ録音時の適正バイアス量はIEC Type IIIと同じ110%であるとされている。 SLH 主にオープンリール使用されノーマルポジションでは最高のグレードである。1974年9月発売開始したマクセルのUD-XL(後のUD-XLI → XLI)が初出コンパクトカセット前述通りSLHのほか、最後発のLLHもLH一部となっている。

※この「テープのグレード」の解説は、「ノーマルポジション」の解説の一部です。
「テープのグレード」を含む「ノーマルポジション」の記事については、「ノーマルポジション」の概要を参照ください。

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