チリ・ハウスとは? わかりやすく解説

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チリハウス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/07 15:33 UTC 版)

ハンブルクの倉庫街とチリハウスを含む商館街」の記事における「チリハウス」の解説

ドイツ表現主義建築は、いくつかの傾向分けることができ、その一つに、北ドイツ伝統的な建材であるレンガ使った造形があった。そうしたレンガ駆使した表現主義建築をよく体現しているのが、フリッツ・ヘーガーの代表作、チリハウス(英語版) (Chilehaus) である。1922年着工1924年4月竣工面積5,950 m2、延べ床面積36,000 m2。10階建てで、中はテナント自由に利用しすいように、垂直の動線中央集め仕切り壁などは設けなかった。チリハウスの名は、チリ硝石取り扱いで財を築いたハンブルク富豪ヘンリー・ブラレンス・スローマン(英語版)に由来する。 チリハウスが建っているのは2つ街路挟まれ2区画である(Burchardplatz 1-2番地)。一帯に元々あった建物群は、1892年コレラ流行の後に取り壊された。市は新たに商館建てることに決めたが、その用地競売取得したのがスローマンであったスローマン当初知人会社経営者を通じて建築家選定する予定だったが、そこに自ら売り込みをかけたのがヘーガーであり、その提案スローマン受け入れて依頼することとなった2区画の間には道路通っているため、当初の建築案では二棟に分かれるデザインだったが、反対した地元議員をヘーガーが説得し道路をまたぐ一体的建物へと変更した。それにより、200メートルにわたる長大ファサード実現したのである。 チリハウスもコンクリート構造建物ではあるが、外装材にはレンガクリンカー煉瓦)が用いられた。ヘーガーは自然や風土一体化する建築目指し、それを体現するものとしてレンガ評価し、「建築宝石」と称えていた。他方で、当時広まりつつあったインターナショナル・スタイルには強い嫌悪感表明していた。チリハウスにおけるレンガ構造重量支える必要が無い分、ヘーガーは自由なデザインでもって貼り付けていった。その数は実に480個にもなるという。 チリハウスといえば、その東端の鋭いファサード特色があるが、元々の設計には存在していなかった。その形は、ヘーガーが途中で計画変更して追加しスローマンとの議論経て確定したのである。それはしばしば船の舳先にも例えられるが、そのダイナミックさは他の表現主義建築にも先例がなく、ハンブルクとどまらずベルリン表現主義建築にまで影響与えたとされる。カール・ヴェルマン(英語版)は、チリハウスについて「新し造形規範大きな商館建築のために見いだした」と評価したが、それにとどまらず文学界でもルドルフ・G・ビンディング英語版)が激賞するなど、広範な反響引き起こした。 チリハウスの東端 チリハウスの煉瓦模様 壁面カーブ

※この「チリハウス」の解説は、「ハンブルクの倉庫街とチリハウスを含む商館街」の解説の一部です。
「チリハウス」を含む「ハンブルクの倉庫街とチリハウスを含む商館街」の記事については、「ハンブルクの倉庫街とチリハウスを含む商館街」の概要を参照ください。

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