チャハールシャンベ・スーリーとは? わかりやすく解説

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チャハールシャンベ・スーリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/11 15:07 UTC 版)

チャハールシャンベ・スーリー
テヘランにおけるチャハールシャンベ・スーリー、2018年3月
別名 チャールシャンベ・スーリー
挙行者

 イラン
 アフガニスタン
 アゼルバイジャン

 タジキスタン
 トルコ (by Azeris, Kurds and Persians)
種類 国の祭り、民族的祭り、文化的祭り
日付 春分の日の前の最後の火曜
関連祝日 ノウルーズ, スィーズダハベダル
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チャハールシャンベ・スーリーペルシア語: چهارشنبه‌سوری‎; 直訳: 赤い水曜日)とは、ノウルーズ(イランの新年)の前の最後の水曜日の前夜(「水曜日」といっているが、1日が日没から始まるため、現代でいうと火曜日の夜となる)に祝われるイランの祭りである。

概要

「チャハールシャンベ」は水曜日、「スーリー」は祭り[1] もしくはを意味する。赤はの色であることに由来する。

スーリーの祭りは太陽と死者の賞賛とも関係がある。古代、太陽は神の一つであり、太陽の賞賛は古代の祭りに深く根ざしている。スール Surは赤を意味し、太陽神スーリヤと同じ語根をもつ。ヘロドトスによれば、エルテヤン(イラン人)は太陽を崇拝していた。アケメネス朝の王の石碑によって火の重要性をみることができる。また、リグ・ヴェーダの最初のマントラは、火を称賛している。チャハールシャンベ・スーリーとホーリー祭は同じ起源を持っている [2]

ラジャスタン 2010年

チャハールシャンベ・スーリーの風習

火を飛び越える

祭りが始まる前に、人々は屋外の開放された広い空間に小枝を集める。日没後、1つまたはそれ以上の焚き火を作り、炎を飛び越えながら「sorkhi-ye to az man, zardi-ye man az to(あなたの赤みを私のものにし、私の黄色をあなたのものに)」と唱える。これには浄化の意味があると考えられている。

歴史的背景

この祭りはゾロアスター教の古代イランの儀式に端を発している。古代イラン人は、死者の霊を祝い、今日では Farvardineganと呼ばれている、一年間の最後の5日間にHamaspathmaedaya ( Hamaspaθmaēdaya )の祭りを祝った。古代イラン人は死者の霊が再会のために来ると信じていた。 7人の聖なる不死者( Aməša Spənta )が称えられ、新年の夜明けにより儀式が正式に終了するとされた。この祭りはまた、火と人間の創造を祝う祭りでもあった。

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脚注

  1. ^ Kasheff, Manouchehr; Saʿīdī Sīrjānī, ʿAlī-Akbar (15 December 1990). "ČAHĀRŠANBA-SŪRĪ". In Yarshater, Ehsan (ed.). Encyclopædia Iranica. 6. IV. New York City: Bibliotheca Persica Press. pp. 630–634. 2016年3月15日閲覧
  2. ^ Dr.Ajam (2015年3月16日). “Newrouz and Chaharshanbe Suri” (Per&en). Parssea. 2022年3月8日閲覧。

参考文献

  • Iranicaonline.org.caharsanba-suri [1]
  • parssea.org [2]

関連項目


チャハールシャンベ・スーリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 07:58 UTC 版)

ノウルーズ」の記事における「チャハールシャンベ・スーリー」の解説

チャハールシャンベ・スーリーでは、人々年末最後水曜日日没に火を燃やし特別な儀礼を催す。火は古代からイラン人にとって神聖であるとともに神の象徴考えられてきた。神聖な火を用いて新年移り変わる前に旧年の醜いものや穢れたものを燃やし自分関わる不幸を清算しなければならない人々信じている。火を燃やすことで不幸や不運不浄取り除き新年幸運や健康を願う、無病息災儀礼である。元々はハマスパスマエーダヤというゾロアスター教祝祭由来していると考えられている。また、チャハールシャンベ・スーリーが水曜日行われる理由として、その内容がチャールシャンベ・スーリーと良く似ているホラーサーン人々信じているモフタールの反乱挙げることができる。ホラーサーン人々に伝わるモフタールの反乱とは、ヒジュラ暦66年 (西暦685年)アラブ人軍司令官であるモフタールが監獄から解放された後、カルバラー殉教者復讐をするために起こした反乱である。この反乱を起こすにあたりモフタールは、自分仲間であるシーア派と敵とを区別し敵だけを攻撃するために、自宅屋根に火を灯すようにとシーア派信徒命じた。この夜が年末最後水曜日であったために、後にイラン人火をつける儀礼つまりチャハールシャンベ・スーリーを年末最後水曜日に行うことになったということである。 全国的に行われているチャハールシャンベ・スーリーの中心となる儀礼は、家の前かみんな集まる場所で火を焚いての上飛び越えることである。しばを束にし、間隔開け1・3・7束を路地中央あるいは中庭に置き、それを火に点し人々は「私たち黄色はあなたのもの あなたの赤色私たちのもの 悲しみ去り喜びがやって来い 不幸は去り幸運がやってこい」というまじない言葉唱えながら火の上飛び越える家族一通り飛び終えると、火は燃え尽きるまで放置しておくか、あるいはをかけて消される。それは燃えている火を息を吹きかけて消すことは不吉であると信じられいるからである。火が灰になると、家族一人がその灰をあつめ、水に流すか家の外(特に四辻)に散らす。これは、灰に込められ災難・不幸があるいは風にのって、家や家族から遠ざかる信じられいるからである。 また屋根から壺を地面投げつけて割ることで、災難・不幸を撃退する儀礼行われる災難儀礼詰められた壺を壊すことで、それらが撃退される人々信じている。ホラーサーン地方でも火を燃やした同様に壺を割る儀礼が行われているが、そこではまず壺の中に灰と潮とダハシャヒーの貨幣入れ家族一人一人頭上一周壺を回し最後の人屋根運び、そこから路地中央向けて投げる。壺を投げ時には「これで不幸や凶眼や貧困自宅から遠ざけたと言いながら投げる。人々は壺を遠くへ投げれば投げるほど、不幸や災難が家や家族から遠ざかる信じている。 上記のような一連の儀礼が終わると、家族集まって乾燥果物(アジーレ・チャハールシャンベスーリー)やお菓子食べる。この年最後水曜日夜に塩気のない乾燥果物を食べることは幸運もたらす信じられている。 この他にも男女参加する一般的な儀礼の他に、女性によって催され女性にのみ参加許され特別な儀礼がある。高橋は以下の5つ儀礼挙げている。 ①首に錠をかけ四辻に座ることによる開運 ②娘を燃えさし追いかけることによる開運市場四辻にあるキブラ方向向いた薬草屋を騙し薬草屋から「無駄なもの」を買うことによる開運モスクミナレットの下に座りチャードルの端に錠を締めことによる開運 ⑤皮なめし工場窪みでくるみを割りろうそく点すことによる開運

※この「チャハールシャンベ・スーリー」の解説は、「ノウルーズ」の解説の一部です。
「チャハールシャンベ・スーリー」を含む「ノウルーズ」の記事については、「ノウルーズ」の概要を参照ください。

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