チップセット「nForce」について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/25 07:45 UTC 版)
「NVIDIA」の記事における「チップセット「nForce」について」の解説
nForce (エヌフォース) シリーズは、AMDプラットフォームで、かつてはトップシェアを誇っていたチップセットである。VIAやATIと熾烈な開発競争を繰り広げていた。欠点としてチップが高発熱であることと、サウスブリッジにやや問題を抱えていたとされたことである。なお、日本では「エヌフォース」と発音されるが、英語ではenforce(エンフォース)と同じ発音である。 2006年にATIがAMDに買収されたことで、チップセット分野では従来通りAMDと綿密に提携しているものの、グラフィックスチップ分野ではAMD(旧ATI)と競業するという複雑な様相を呈している。このように、商品によってはAMDと競業するも、互いに大きな利益関係を持っておりNVIDIAがAMD向けチップセット開発を打ち切るという事態には陥っていなかった。ただし業務提携後に開発されたAMD社製のチップセット(特にAMD 780G以降)がローエンド~ハイエンドまで広くカバーするラインナップを揃え各マザーボードメーカーが新製品を続々と発表・発売するのに対し、nForceはハイエンドチップは旧世代製品のリネームしか存在せず、期待されたグラフィック統合チップセットもAMD社製の物に比べれば性能が劣り、マザーボードもそれほど製品の数がでていなかった。但しIntelプラットフォーム用の同製品は、Intel Gシリーズなどの統合チップセットよりは高いパフォーマンスを持っていた。 2010年初めにチップセット部門とSOC部門を統合し、既存チップセットの出荷継続を除き、事実上、チップセット事業から撤退した。 2001年 AMDのAthlon向けのチップセット「nForce」を投入し、12月ごろから流通が始まった。 2002年 「nForce2」を投入、PC向けのドルビーサラウンドに対応した初めてのサウスブリッジ。 2003年 AMDのAthlon64およびOpteron向けのワンチップの「nForce3」を投入した。 2004年 かつてのVoodooシリーズを彷彿とさせるSLI対応のチップセット「nForce4 SLI」を投入。 2005年 インテル向けのチップセットの投入。チップセットメーカーのULiを買収すると発表。 2006年 2月21日ULiの買収を完了したと発表。 2006年 2月22日ATI社と合同研究会を開催。 2006年 6月頃、AMDの新ソケット「SocketAM2」のCPUの発売に合わせ、「nForce 550」「同570 Ultra」「同570 SLI」「同590 SLI」を投入。 2006年 11月、「GeForce 8800シリーズ」と同時に、「nForce 680i SLI」「同680a SLI」(ただし12月初旬発表の「Quad-FXプラットフォーム」では680aノースブリッジを二つ搭載。)「同650i SLI/Ultra」「同650a SLI/Ultra」を発表、投入。(注、この系統の「i」「a」はそれぞれ「インテル」「AMD」を表す) 2007年 12月17日(米国現地時間)nForce700iシリーズを発表、780iにおいては3枚のGeForce 8800 Ultra/GTXを用いた3-way SLIをPCI Express 2.0 x16でサポートしている。チップセットはSPP,MCP,nForce200の3枚構成となっている。 2008年 1月、AMD向けチップセットとして「nForce700aシリーズ」、及び「GeForce 8200」「GeForce 8300」を発表。チップセットには同社で初となるHybrid SLIを搭載することを正式発表。同年3月に各社から正式発売された。 2006年初頭に台湾の老舗チップセットメーカーULiの買収を行った。それによりULiはNVIDIAのアジア方面の営業担当として機能している。ULiはチップセットとしてのみならず、チップセットの構成要素であるサウスブリッジ単体でも他のメーカーに供与するという実績を持っている。NVIDIAは旧ULiの製品の需要家向けに、ULiブランドの継続とその製品の供給を、買収後も続けている(2007年11月、ASRockよりM1695+nForce3 250のマザーボードが発表されている)。そのULiのサウスブリッジが多く利用される一つにATIのチップセットがある。ATIのサウスブリッジは評価が良くないことからULiのサウスブリッジが代用されることが多い。ATIはGPUならびにチップセット市場でNVIDIAと競合している企業である。上記で述べたようにNVIDIA自身もサウスブリッジに問題を抱えていたとされ、ULiの技術を欲していたとも考えられた。 なお、NVIDIAは過去にULiの前身であるALiと共同でALADDiN-TNT2 (RIVA TNT2-M64相当) というグラフィック統合チップセットを開発したことがある。
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