セル‐ほうしき〔‐ハウシキ〕【セル方式】
読み方:せるほうしき
セルラー方式
別名:セル方式,ゾーン方式
【英】cellular communication system
セルラー方式とは、エリアをある一定の区画(セル)に分割し、各セルに基地局を配置する無線通信方式のことである。
セルラー方式は、自動車電話から始まり、アナログ携帯電話の1G時代から現在の3Gまで、地上に基地局を配置して通信を行っている携帯電話が用いている。
セルラー方式では、セルの中に基地局を設置して、各セルごとに周波数をずらして配置することで干渉を防ぐことができる。また、隣接しないセル同士であれば同一周波数を使うことができるため周波数帯を有効に活用することができる。
なお、セルとは細胞のことで、この言葉は細胞が集まって組織を構成する様を転じて使っている。また、携帯電話をセルラーフォンと呼ぶことがあるのは、このセルラー方式を用いているためである。
セル方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/01 15:22 UTC 版)
設置につき「セル方式(cellular communication system)」が採られている場合、電波が届く範囲(通信可能な範囲)を「セル」(cell, cellular :細胞)と言う。携帯電話に関する普通名詞や固有名詞に使われている「セルラー」も同義である。 セル方式とは、無線周波数帯域を効率良く利用するため(周波数利用効率の向上のため)、基地局を多数設置して、電波の到達範囲を一定エリアに留めて、同じ周波数帯域をできるだけ再利用しようとする方式である。 セルの配置の仕方をセル設計という。携帯電話のセル設計については、正六角形(ハニカム)による配置が一般的である。ただし、これはあくまで設計上の話であって、電波は建造物や地形の影響を大きく受けるため、実際は正六角形から大きくひずみ、非常に複雑なセル形状となる。セルの一部がちぎれて隣接セルの中に入り込むことさえある。また、基地局の設置場所の関係から、正六角形を規則正しく並べた配置になるように置局することは難しい。さらに、不感地帯や高トラフィック解消の為に、新たな基地局を既存のセル配置の中に割り込ませることもある。このように、実際のセル配置は、正六角形配置とはほど遠いものとなっている。 セルの大きさは、携帯電話においては数百m〜数km(「マクロセル」と呼ばれる。)が一般的である。比較的大きなセルを取る場合「大ゾーン」、比較的小さなセルの場合は「小ゾーン」と呼ばれる。大ゾーンは人口密度が低い平野部に適用される。小ゾーンは人口密度が高い都市部に適用される。大都市の駅前や繁華街ではセルを重複(オーバーレイ)させることも行われている。また、日本に多い山間の集落は地形の制約から小ゾーンとなることが多い。 また、指向性アンテナを使って、正六角形によるセルを角度で等分割する構成を「セクタ構成」と呼ぶ。セルを3または6分割する3セクタ構成、6セクタ構成などが一般的である。 PHSにおいては、セルの大きさは数十〜数百m程度の「マイクロセル」となる。街路に沿って地上高を低く取り、小出力の基地局を多数設置する方式(「ストリートセル方式」、低トラフィック型)と、マンションや自立柱などの比較的高い地上高を取り、PHSとしては高出力の基地局(および高感度のアンテナ)を用いて少数設置する方式(高トラフィック型)がある。 PHSではセル毎に周波数の異なる多数の通信チャンネルを採用できる。そのため、一部のPHS事業者では、セル毎に動的に通信チャンネルを割り当てるシステム(DCA:Dynamic Cell Assign)を採用しており、自動自律分散的にセル設計が行われる。 実際の事業者においては、これらの方式を各種組み合わせて採用した方式が採られている事が多い。 参考文献:
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