ストラトフォードの人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 14:40 UTC 版)
「7人のシェイクスピア」の記事における「ストラトフォードの人々」の解説
ジョン・シェイクスピア ウィル(ランス)の父。皮手袋商人であり、街の要職や町長を務めたこともある名士。カトリック教徒だが、表向きはプロテスタントを信仰している。中流階級(ヨーマン)からさらに上の支配階級であるジェントルマンとなる野心を抱き、違法な手段も駆使して資産を蓄え、紋章院の役人に便宜を図ってもらうため手数料という名目で賄賂を贈っていたが、紋章の使用許可申請を反故にされる。その後も、支配階級の地位を手に入れることに固執するも、仕事は傾き信用を失うなど没落の一途をたどり、やがて酒浸りの生活を送るようになる。 メアリー・シェイクスピア ウィルの母。多くの不動産を有する名家の出身だが、鬱屈した性格をしている。結婚後に生まれた子供が次々に亡くなり、夫も家庭を顧みない中、次第に精神を病み始め、奇行に走るようになる。 サイモン・ハント ウィルやジョン(ワース)の通うグラマースクールの教師。オックスフォード大学出身。陰ではカトリックの司祭を務めており、ジョンの父の招きで毎週水曜に開かれる礼拝で教えを説いていた。一方、カトリックの司祭狩りが近づきつつあるという情報を得ると、ウィルやジョンらに別れを告げて街を去った。 ジョン・コタム ハントの去った7年後に招かれたカトリックの司祭。家庭のことで悩みを抱えるウィルに教えを説くなど、ハントと同様に良き相談相手となるも、トーマス・ルーシーの捜査協力によって政府に逮捕され、拷問を受ける。弟のトマスもカトリック信徒であり、ローマからの布教団と共に極秘帰国するも、政府に拘束され凄惨な拷問の末に処刑される。 ジョン・クームの父 不動産管理や金貸しなどを生業とするクーム家の当主。ジョンを跡取りとして厳しく躾ける。一方、敬虔なカトリック教徒でもあり、ハントやコタムを自宅に招いて秘密の礼拝を行っている。ウィルとジョンがルーシー家に拘束された際には保釈金を用立てし、ジョンが街を出ていく決意を固めると、それを後押しした。 キャシー・ハムレット ジョンの従姉妹。ウィルとも旧知の間柄で、美人で気立ても良い。ジョンに好意を寄せるも、彼からは拒絶され、さらに両親からは望まない相手との結婚を勧められ、失意のうちにエイヴォン川に身を投げる。自殺を戒める宗教的理由により、彼女の死はハーブ摘みの最中に川に転落したという不慮の事故として扱われた。 ロージャー、ドロシー 下層階級の兄妹。ウィルやジョンとは子供のころから親しくしている。ロージャーは母の仕事の手伝いをしてる際にルーシー家の狩りに遭遇し、猟犬に脚を噛みちぎられ片足を失う。 トマス・ルーシー ナイトの称号を持つジェントルメン。ウォリックシャー地方の治安判事であり、チャールコートの荘園領主。熱烈なプロテスタントでありカトリック弾圧に関与しており、周囲から恐れられている。自分の荘園内で起こった鹿泥棒の容疑をウィルとジョンにかけ、屋敷内に拘束する。その権威的な姿勢に衝撃を受けた2人は、葛藤の末に故郷を旅立つ決意を固める。 アン・ハサウェイ ウィルの妻。法律事務所の男との子供を身籠るも結婚の見込みがないと踏むと母親と共謀して、ウィルを騙して結婚に持ち込む。甲高い笑い声が特徴で、シェイクスピア一家からは不評を買っている。
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