スズキ目・ネズッポ亜目
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 09:36 UTC 版)
いっぽうネズミゴチ、ヨメゴチ、ヤマドリ、ニシキテグリ、イナカヌメリなどはスズキ目・ネズッポ亜目に分類される。 スズキ目 Perciformesネズッポ亜目Callionymoideiネズッポ科 Callionymidae - ネズミゴチ、ヨメゴチ、ヤマドリ、コウワンテグリ、ニシキテグリなど イナカヌメリ科 Draconettidae - イナカヌメリ、ハナガサヌメリなど これらは口が小さく、上顎が突き出る。頭部には骨板がなく、鰓蓋の上に1対の太い棘がある。鰓孔(えら穴)は他の魚のように裂けず、小さな丸い穴で背中側に開く。体表は粘液が多くヌルヌルしている。メスよりもオスのほうが大きい。また、第1背びれの形や模様は種類やオスメスによって異なり、この背びれを広げて求愛行動などをおこなう。 ネズミゴチ Repomucenus richardsonii (Bleeker, 1854) 全長20cmほど。背中側には黄褐色や白の細かい斑点がある。鰓蓋の棘は内側に弧を描き、さらに内側に数個の歯をもつ。北海道以南の日本沿岸から南シナ海まで分布し、海岸近くの砂底に多く生息する。釣り人にはキス釣りの際の外道としてなじみ深く、「メゴチ」と呼ばれるが、標準和名でメゴチといえばカサゴ目の魚を指す。多くの近縁種がいる。 ヤリヌメリ R. huguenini (Bleeker, 1859) 全長18cm。日本から東シナ海にかけて分布するが、マレーシアやニューカレドニアからの報告もある。外見はネズミゴチに似るが、和名通り鰓蓋の棘が槍のようにまっすぐ尖ることで区別できる。メチルメルカプタン、ジメチルジスルフィドなどの硫黄化合物に由来する悪臭を放つ。神奈川県では本種を摂食したことによる食中毒の報告例がある。 ヨメゴチ Calliurichthys japonicus (Houttuyn, 1782) 全長30cmほど。尾びれが長大で、尻びれのふちと尾びれの下半分が黒い。西日本から東シナ海にかけて分布し、ネズミゴチよりもやや深い場所に生息する。 ヤマドリ Neosynchiropus ijimai (Jordan et Thompson, 1914) 全長10cmほどの小型種。赤の地に白、青、褐色などの小さな斑点が散りばめられた派手な体色をしている。東北地方太平洋岸を除く北海道南部から本州、四国、九州北部に分布し、浅い海の岩礁と砂底が混じったような環境に生息する。 コウワンテグリ N. ocellatus (Pallas, 1770) 全長8cmほどの小型種。ヤマドリに似るが体に5本の横しま模様があること、オスの第一背びれに4個の目玉模様があることなどで区別する。インド洋と西太平洋の熱帯域に分布する。日本では本州南部の太平洋側以南で見られ、ヤマドリより南方系である。 ニシキテグリ Pterosynchiropus splendidus (Herre, 1927) 全長7cmほどの小型種。目が大きくて体の断面も平たくない。緑色の地に青い曲線の模様が入った派手な体色をしており、およそコチの仲間に見えない外見をしている。西太平洋の熱帯域に分布し、サンゴ礁のサンゴの枝の間に生息する。シノニムとして Synchiropus splendidus がある。 イナカヌメリ Draconetta xenica Jordan et Fowler, 1903 全長10cmほど。体は赤橙色で目が大きい。インド洋とハワイ諸島以西の西太平洋に分布し、やや深い砂泥底に生息する。
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