ゴーフルとは? わかりやすく解説

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ゴーフル【(フランス)gaufre】

読み方:ごーふる

薄く焼いたせんべい状のもの2枚の間にクリームなどを挟んだ洋菓子


ゴーフル

洋風煎餅の事。  (神戸ふう月堂の登録商標

ゴーフル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/05 02:56 UTC 版)

フランス・ダンケルク地域のゴーフル(Gaufre dunkerquoise

ゴーフルフランス語: gaufre)は、専用の型で作る凹凸模様の平たい菓子英語ワッフル (waffle)、フランス語でゴーフル (gaufre) と呼ばれる。「浮き出し模様を付ける」という意味の “gaufrer” から、「ゴーフル」と呼ばれるようになった[1]。日本では、薄焼き煎餅にクリームを挟んだ焼き菓子が「ゴーフル」「ゴーフレット」等の名前で販売されている。

本項では日本の「ゴーフル」を中心に説明する。フランス語でゴーフルと呼ばれる菓子についてはワッフル参照。

日本のゴーフル

日本で「ゴーフル」と呼ばれる菓子は、昭和初期に凮月堂一門によって開発されたもので、2017年現在、凮月堂の流れを汲む3社の和・洋菓子会社メーカーによって製造・販売されている。「ゴーフル」は神戸凮月堂によって1953年商標登録されているが、他の2社も使用している[2]

凮月堂のゴーフル

和菓子であるせんべいの技術を取り入れた洋菓子である。小麦粉砂糖牛乳バター等の材料を、和菓子のせんべいを焼く技術を活かして直径15cm、厚さ1mm程の円形にさっくりと焼き、薄く延ばしたクリームを2枚で挟んだもの。個包装されたものを紙箱や四角い缶に入れた形態、あるいは浅底の丸い鉄製の缶に入れた形態で販売されている。

現在ゴーフルを販売しているのは東京凮月堂、上野凮月堂、神戸凮月堂の3社である。この3社は、いずれも大坂屋(後に凮月堂総本店)をルーツとする。1872年(明治5年)に総本店の番頭が独立して米津凮月堂を開き、これが後に銀座(南鍋町)に本拠を移して、東京凮月堂となった[3]。また、米津凮月堂で徒弟奉公した吉川市三が1897年(明治30年)に暖簾分けを受けて神戸に神戸凮月堂を開いた[4]。さらに、凮月堂総本店の創業家のひとりが1905年(明治38年)に上野に分店の上野凮月堂を開いた[5]

凮月堂のゴーフル発売の起源については東京発祥説と関西発祥説がある。

東京発祥説は、昭和初期に「カルルス煎餅」という薄焼き煎餅をヒントに開発されたとする説である。上野凮月堂によれば、カルルス煎餅は明治より凮月堂一門で販売していた商品で、ゴーフル煎餅に酷似した形状の素焼き煎餅であり、炭酸せんべいの原型とも言われるものである。昭和初期、南鍋町米津凮月堂の和菓子工場では凮月堂総本店及び米津凮月堂の両方の製品を生産していた。また、火災のため、洋菓子工場と和菓子工場が一緒になったが、大阪の北浜凮月堂(現存せず)の職人が洋菓子工場の次長を務めていた。ここで一門の職人たちの試行錯誤が行われた結果、粉の配合や、アメリカ製のショートニングをクリームに用いるなどの工夫がこらされ、現在につながるゴーフルが完成し[6][注釈 1]、1929年(昭和4年)に発売されたとする[5]

関西発祥説は、大正の終わりから昭和初期に、米津凮月堂より暖簾分けされた北浜凮月堂において開発されたとする説である。神戸凮月堂が記すところ等によれば、1926年(大正15年)頃にもたらされたフランスの焼き菓子をモデルとして、北浜凮月堂の和洋菓子の職人が開発を進め、神戸凮月堂創業者の吉川市三が当時北浜凮月堂の業務執行社員であったことから、1927年(昭和2年)に米津凮月堂、北浜凮月堂、神戸凮月堂で同時に発売された。ただし、発売当時の製法は現在のものとは異なり、大瓦せんべいと同様の焼き方を行う、手間のかかるものであったという[7]

戦前、凮月堂一門は互いに協力して商品の開発や製造、販売を行っており、ゴーフルの商標は凮月堂一門で共有されていたが、戦後ゴーフルの類似品が氾濫したため、神戸凮月堂がゴーフルの商標を登録した[2]

アルベルト・シュヴァイツァー博士の好物でもあったので、医療活動でガボン・ランバレネを訪れる日本人は風月堂のゴーフルを持参するのが通例だったという。

ゴーフレット

東京凮月堂のゴーフレット

ゴーフルと似た菓子にゴーフレット: gaufrette、「小さいゴーフル」の意[注釈 2])がある。文字通り直径7cmほどの小型のゴーフルを意味するほか、葉巻状に巻いたゴーフルの中にクリームやジャムなどを詰めたもののことを指す場合もある[8]

脚注

注釈

  1. ^ なお、この説はゴーフルの発売と同時期の1929年(昭和4年)に入店し、後に上野凮月堂の工場長となった市村文兵衛の手記に基づくものである[6]
  2. ^ -ette指小辞

出典

  1. ^ お菓子の由来物語 P.97
  2. ^ a b 「神戸土産の定番」ゴーフル、ルーツは東京にあり 神戸新聞、2017年12月6日
  3. ^ 凮月堂の歴史 東京凮月堂
  4. ^ 会社の沿革 神戸凮月堂
  5. ^ a b 歴史 上野凮月堂
  6. ^ a b ゴーフル誕生秘話 上野凮月堂
  7. ^ ゴーフル物語 神戸凮月堂
  8. ^ お菓子の由来物語 P.99

参考文献

関連文献

  • 神戸凮月堂「ゴーフル物語」
  • 上野凮月堂「ふうげつ物語」

外部リンク


ゴーフル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 00:09 UTC 版)

凮月堂」の記事における「ゴーフル」の解説

「ゴーフル」も参照 凮月堂代表する菓子とされるゴーフルは、昭和初期一門発売開始された。ゴーフルの開発発売に至る経緯については東京発祥説と関西発祥説がある。 東京発祥説は、昭和初期に「カルルス煎餅」という薄焼き煎餅ヒント開発されたとする説である。カルルス煎餅明治より凮月堂一門販売していた商品で、ゴーフル煎餅酷似し形状素焼き煎餅であり、炭酸せんべい原型とも言われるのである昭和初期米津凮月堂和菓子工場では凮月堂総本店及び米津凮月堂両方製品生産していた。また、火災のため、洋菓子工場和菓子工場一緒になったが、大阪北浜風月堂現存せず)の職人洋菓子工場次長務めていた。ここで一門職人たちの試行錯誤が行われた結果、粉の配合や、アメリカ製ショートニングクリーム用いるなどの工夫こらされ1929年昭和4年)に現在につながるゴーフルが完成したとされる関西発祥説は、大正終わりから昭和初期に、米津凮月堂より暖簾分けされた北浜凮月堂において開発されたとする説である。神戸凮月堂が記すところ等によれば1926年大正15年)頃にもたらされフランス焼き菓子モデルとして、北浜凮月堂和洋菓子職人開発進め神戸凮月堂創業者吉川市三が当時北浜凮月堂業務執行社員であったことから、1927年昭和2年)に米津凮月堂北浜凮月堂神戸凮月堂同時に発売されとされる。ただし発売当時製法現在のものとは異なり、大瓦せんべい同様の焼き方を行う、手間のかかるものであったという。 戦前凮月堂一門互いに協力して商品開発製造販売行っており、ゴーフルの商標凮月堂一門にて共有されていたが、戦後ゴーフルの類似品氾濫したため、神戸凮月堂がゴーフルの商標登録した。ただし、ゴーフルは各社同時期に製造始めたものであり、上野凮月堂東京凮月堂もゴーフルの商標継続して使用している。

※この「ゴーフル」の解説は、「凮月堂」の解説の一部です。
「ゴーフル」を含む「凮月堂」の記事については、「凮月堂」の概要を参照ください。

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