クリオネ展示期
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クリオネは1990年代に網走市内で見つけられた。2月中旬に網走の主婦が北浜海岸を歩いていたところ、コンブに付着した赤い生物をみつけ、水族館に連絡が行ったことに始まる。当時は、クリオネは深海にいると思われていて、渚でも採取できるということで話題となったりしている。 水族館は1993年には、貝殻を持たない巻き貝の一種、クリオネ(和名ハダカカメガイ)の飼育に世界で初めて成功し、1993年4月28日から、「流氷の天使」のキャッチコピーを付けて日本初の展示を行う。館長の本間保が“流氷の天使”を命名した。水族館はクリオネについて「暖かくなり、流氷が北に去るとともに姿を消す謎の多い不思議な生物」だと紹介している。 水族館はクリオネの通年展示を実現したため、一躍有名となり、入館者数も増加し、また、各方面から注目を集める。人気にあやかって、1995年7月26日、水族館と網走刑務所は共同で同所製の「クリオネグッズ」を売り出している。また、1996年(平成8年)2月6日には、記念切手の「ふるさと切手」にも登場し、全国で一斉発売され、さらに、同年4月10日には、JR網走駅において「クリオネ」と「芝ざくら」のオレンジカードも発売され、さらに同年6月17日には、「クリオネ」のテレホンカードが、水族館内で販売開始されている。また、1997年10月19日には、網走市の市制施行50年記念として、ふるさと絵本「またきてねクリオネさん」が3,000部印刷され、就学前児童に無料で配布されたりしている。さらに、1999年1月15日には、クリオネを使い、森英恵がデザインしたネクタイ300本とバンダナ(大判ハンカチ)2,000枚が水族館など網走限定で発売されるとマスコミに報じられると、開館前から行列ができ、またたく間に売切れたこともある。森は1998年2月に網走に訪れ、水族館のクリオネを鑑賞している。また、2001年の年賀はがきにクリオネが使用されたりもしている。館長の本間保はクリオネ商品について、「網走の知的財産として利用が期待される」としている。 また、1993年8月9日には、玩具メーカーのヨネザワとオホーツク水族館とが、「クリオネ」の商標と意匠登録権の使用契約を締結した。翌1994年4月28日、1994年シーズンの展示の目玉が“流氷のキューピット「リマキナ」”だと伝えられ、同年11月1日には、オホーツク水族館からクリオネの交接写真がはじめて公表されている。また、クリオネの捕食について、本間は「クリオネは妖精というより怪物です。見ていると頭の部分が開いて、6本のかぎ型の触手がのびて、エビの幼生をつかまえて食べるんです」という話をしている。 水族館は商標にも力を入れる。特許庁に出願中の「流氷の天使クリオネ」の一部が1996年9月25日に商標登録され、1998年4月28日に「フウセンクラゲ」を商標登録し、そして、1999年3月31日には、「クリオネ」の商標登録が認可されている。さらに、1999年8月7日には「クリオネ」につづいて「ウリクラゲ」、「フウセンクラゲ」、「フウセンウオ」、「リマキナ」を商標登録していたものが認められる。商標権のある登録名は、「流氷の天使クリオネ」及び「クリオネ」(英名も)などのほか「マリンキューピット」「リマキナ」(同)、「虹色の宝石」「フウセンクラゲ」(同)、「海のネオンサイン」「ウリクラゲ」(同)、「フウセンウオ」(和名のみ)などである。これで水族館が保持する、審査中を合わせた商標権を持つ登録名は、約20種となった。また、フウセンウオには「北のUFO」もある。
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