ギャラントマンとは? わかりやすく解説

ギャラントマン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/13 00:42 UTC 版)

ギャラントマン
1981年撮影
欧字表記 Gallant Man
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 1954年
死没 1988年9月7日(34歳没)
ミゴリ
マジデー
生国 イギリス
生産者 アーガー・ハーン3世
馬主 ラルフ・ロウ
調教師 ジェラルド・ブロス
→ジョン.A.ネルド
競走成績
生涯成績 26戦14勝
獲得賞金 510,355ドル
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ギャラントマンGallant Man)は、アメリカ競走馬、および種牡馬である。黄金世代と呼ばれた1957年アメリカクラシック世代の1頭で、ベルモントステークストラヴァーズステークスなどに優勝した。父ミゴリはシンザンなどと同じボワルセル系の出身で凱旋門賞などに優勝し、母マジデーはアイリッシュオークスに勝った名馬である。1歳のときラルフ・ロウに売却され、「勇者」を意味するギャラントマンという名が与えられた。

戦績

2歳から3歳の初めにかけては貧弱な良血馬として下級戦を勝ったり負けたりしていたが、初のステークスとなるハイビスカスステークスを快勝すると、ボールドルーラーやキングハイランを相手に好走し、ウッドメモリアルステークスではボールドルーラーに交わされ2着になったもののこの世代の有力馬として認められるほどになっていた。そしてケンタッキーダービーでは主戦のJ.チョケッテが騎乗停止となったため名手W.シューメーカーを背に挑んでいる。このレースではラウンドテーブル、ボールドルーラーに次ぐ3番人気に押され、直線では一旦先頭に立ちながらもW.シューメーカーがゴール板を誤認するという信じられないミスでアイアンリージに抜き返されてしまった、直後に再び追い出したものの時既に遅くハナ差届かなかった。不思議なことに馬主のラルフ・ロウはゴール板を見間違えギャラントマンが敗れてしまうと言う夢をレース前日に見ており、「悪魔のケンタッキーダービー」として未だに語り継がれている。

疲労のためプリークネスステークスを回避し、ピーターパンハンデキャップをレコードで制すと三冠最終戦であるベルモントステークスに出走した。そしてプリークネスステークスを制したボールドルーラー等を相手に8馬身差の全米レコードで優勝した。その後真夏のダービーと言われるトラヴァーズステークス、ジョッキークラブゴールドカップ等を快勝している。

年末のトレントンハンデキャップでは久々に三強(ギャラントマン、ボールドルーラー、ラウンドテーブル)が勢揃いした。それまではギャラントマンが最強と言われていたがボールドルーラーに敗れ、結果的に米最優秀3歳牡馬を逃してしまった。

翌年は初戦のカーターハンデキャップでボールドルーラーに再び敗れたが、そのボールドルーラーとの最後の対戦となったメトロポリタンハンデキャップでは2馬身で雪辱した。その後は高賞金のハリウッドゴールドカップハンデキャップ、日本のハクチカラ(4着)も出走していたサンセットハンデキャップを連勝し、シスオンバイハンデキャップ5着を最後に故障で引退した。

引退後

引退前に史上最高価格で取引され、スペンドスリフトファーム種牡馬入りした。しかし種牡馬成績は低調に終わり、名牝ギャラントブルーム、後継種牡馬となったギャラントロメオ等の産駒を出すに留まった。産駒は日本でも走っており、スプリンターズステークス連覇のメイワキミコ、朝日杯3歳ステークス優勝馬ギャラントダンサーなどが活躍した。ギャラントマン自身は種牡馬を引退後もスペンドスリフトファームで余生を送り、1988年9月7日、老衰により死亡。34歳の大往生であった。遺体はスペンドスリフトファームに埋葬されている。

直系子孫は既に勢力を失っており、アメリカではデーモンズビゴーン、日本ではアメリカ産のマル外として中央競馬で走った直仔ペキンリュウエンの産駒であるマキバスナイパーが最後の活躍馬であった。2017年現在、ワシントン州で供用されているデーモンウォーロックが最後の末裔である。

血統表

ギャラントマン血統ボワルセル系 / Mah Mahal3×3=25% Blandford4×4=12%) (血統表の出典)

Migoli
1944 芦毛
父の父
Bois Roussel
1935 黒鹿毛
Vatout Prince Chimay
Vasthi
Plucky Liege Spearmint
Concertina
父の母
Mah Iran
1939 芦毛
Bahram Blandford
Friar's Daughter
Mah Mahal Gainsborough
Mumtaz Mahal

Majideh
1939 栗毛
Mahmoud
1933 芦毛
Blenheim Blandford
Malva
Mah Mahal Gainsborough
Mumtaz Mahal
母の母
Qurrat-al-Ain
1927 鹿毛
Buchan Sunstar
Hamoaze
Harpsichord Louvois
Golden Harp F-No.5-e

外部リンク


ギャラントマン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 03:25 UTC 版)

ボワルセル系」の記事における「ギャラントマン」の解説

ギャラントマンはアイルランド生まれミゴリ産駒である。母は愛牝馬二冠のマジデー。近親にも多数活躍馬がいる良血であったものの、脚部不安の上体高低く当初評価低かったベルモントS、トラヴァーズSを制し同期ボールドルーラーラウンドテーブルと共にアメリカ競馬史上最強世代形成した種牡馬としては成功はしなかったものの、数頭の良駒を残し結果的にこのギャラントマンの子孫がボワルセル系の中で最後まで残ることになった日本輸入されたペキンリュウエンは、オールカマー5着とレコード勝ちが2回あるだけの馬だったが、産駒マキバスナイパー出した。この馬が日本におけるボワルセル系最後重賞馬にして種牡馬となったまた、Gallardoウルグアイ輸出され当地21世紀初頭まで活躍馬を輩出していた。何れも2017年現在父系子孫失われている。 ギャラントマンの代表産駒は名牝ギャラントブルームであり、ただでさえ少な活躍馬は牝馬偏っていた。牡馬最良馬ギャラントロメオは重賞馬を散発的に出し、うちエロキューショニストはプリークネスSとアーカンソーダービーを勝ち、ケンタッキーダービーでも3着だった。エロキューショニストからは更に2頭のG1馬レシテイションとデーモンズビゴーンが出た。デーモンズビゴーンは重賞馬を数頭残したが、産駒はいずれ種牡馬として人気が出なかった。実質的にこの世代でサラブレッドとしてのボワルセル系終焉迎えた2018年現在ボワルセル系を含むチョーサー系はワシントン州供用されているデーモンウォーロックを残すのみで、もはや父系としての体を成していない。デーモンウォーロックワシントン州格安種牡馬として意外な健闘見せており、2010年代後半にはやや成績向上しているが、次代を繋ぐ種牡馬が出る望み薄くそもそも牡馬の殆どが去勢されている)、消滅を待つのみとなっている。 Gallant Man 1954(ベルモントS)→ギャラントブルーム |My Gallant 1970ブルーグラスS) |ギャラントダンサー 1975朝日杯3歳S) |ペキンリュウエン 1977 ||マキバスナイパー 1995帝王賞) |Gallardo 1972 ||Iraqui 1982ベネズエラ三冠) ||Volantin 1983ベネズエラ共和国賞) |||Paso Real 2001ベネズエラ共和国賞) |Gallant Romeo 1961(ヴォスバーグH) ||Always Gallant 1974サンクスギヴィングデイH、ロングエイカーズH) ||Gallant Special 1980リッチモンドS) ||Elocutionist 1973プリークネスS) |||Eastern Mystic 1982ヨークシャーC) |||Prima Voce 1979ダイオメドS、プリンスローズ大賞)→First Intent |||Recitation 1978フランス2000ギニー)→Country Recital |||Demons Begone 1984アーカンソーダービー)→Danville ||||Shoal Creek 1990イロコイS) ||||Born Mighty 1994(ロイヤルパームH。最後グレード/グループ競走優勝馬) ||||Flitch 1992(ローレンスリアライゼーションS、ホールオヴフェイムH) |||||Maseeha 2004ステイヤーズCインドG1) ||||Demon Warlock 2000ワシントン州年度代表馬) |||||Winter Warlock 2008セン馬2010年プレミオエスメラルダS) |||||Copy Begone 2013牝馬16勝) |||||Lovethisbar 2014牝馬。8勝) |||||Alittlelesstalk 2016牝馬2019年ワシントン州最優秀3歳牝馬

※この「ギャラントマン」の解説は、「ボワルセル系」の解説の一部です。
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