キクイタダキとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > キクイタダキの意味・解説 

きく‐いただき【菊戴】

読み方:きくいただき

キクイタダキ科キクイタダキ属全長10センチ日本最小の一。全体に緑褐色で、頭頂黄色く、雄はさらにその中央が赤い。日本では亜高山帯針葉樹林繁殖し、冬には平地移動するまつむしり。《 秋》「この高木—も来るとかや/虚子


菊戴

読み方:キクイタダキ(kikuitadaki)

燕雀目の小鳥


キクイタダキ

キクイタダキ
キクイタダキ

映像ファイルをダウンロードして再生することができます



菊戴

読み方:キクイタダキ(kikuitadaki)

ヒタキ科

学名 Regulus regulus


菊戴

読み方:キクイタダキ(kikuitadaki)

日本最小マツムシリ別称

季節 秋、春

分類 動物


キクイタダキ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 02:38 UTC 版)

キクイタダキ
キクイタダキ Regulus regulus
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
: キクイタダキ科 Regulidae
: キクイタダキ属 Regulus
: キクイタダキ R. regulus
学名
Regulus regulus (Linnaeus, 1758)[1][2][3]
和名
キクイタダキ[3]
英名
Goldcrest[1][2][3]
     繁殖地      周年生息地      越冬地

キクイタダキ(菊戴、鶎、学名:Regulus regulus)は、スズメ目キクイタダキ科キクイタダキ属に分類される鳥類。

分布

砂漠地帯を除くユーラシア大陸の高緯度から中緯度の地域に広く分布する[4]

日本では、北海道本州中部以北(留鳥または漂鳥)で繁殖し、本州中部以南の西日本には一部が越冬のために飛来する[4][5]

形態

全長が約10 cm[4][5]翼開長が約15 cm[4]、体重3-5 gの小型の鳥で、日本国内ではミソサザイエナガとともに最小の鳥の一種である[4]。頭頂の縁が黒色で中央が黄色い部分があるのが特徴で、その中央部の内側に赤い斑がある[5]。雌雄ほぼ同色だが、メスにはこの赤い斑がない[4]。頭部以外の上面は全体にオリーブ色で、目の回りは白っぽく、嘴と足は黒褐色。嘴は小さくて細い[6]。翼の雨覆に黒と白の模様がある。

分類

亜種キクイタダキ
R. r. japonensis

従来[いつ?]ウグイス科に分類されていた[4][5]

以下の亜種の分類・分布は、IOC World Bird List (v10.1)に従う[2]

Regulus regulus regulus (Linnaeus, 1758)
ヨーロッパからシベリア西部
Regulus regulus azoricus Seebohm, 1883
アゾレス諸島東部(São Miguel島)
Regulus regulus buturlini Loudon, 1911
クリミア・小アジア・コーカサスにかけて
Regulus regulus coatsi Sushkin, 1904
シベリア中南部
Regulus regulus ellenthalerae Päckert, Dietzen, Martens, J, Wink & Kvist, 2006
カナリア諸島(El Hierro島、La Palma島)
Regulus regulus himalayensis Bonaparte, 1856
アフガニスタン東部からヒマラヤ山脈にかけて
Regulus regulus hyrcanus Zarudny, 1910
アゼルバイジャン南東部、イラン北部
Regulus regulus inermis Murphy & Chapin, 1929,
アゾレス諸島中部および西部
R. r. japonensis Blakiston, 1862 キクイタダキ[3]
中華人民共和国北東部、日本(本州以北)、朝鮮半島北部、アムール川流域で繁殖する[3]
基亜種よりも緑色がかっている。次列風切と三列風切の先端は白い[5]
Regulus regulus sanctaemariae Vaurie, 1954
アゾレス諸島南西部(Santa Maria島)
Regulus regulus sikkimensis Meinertzhagen & Meinertzhagen, 1926
ヒマラヤ山脈東部から中華人民共和国中北部にかけて
Regulus regulus teneriffae Seebohm, 1883
カナリア諸島(テネリフェ島、La Gomera島)
Regulus regulus tristis Pleske, 1892
天山山脈
Regulus regulus yunnanensis Rippon, 1906
中華人民共和国中南部、ミャンマー北東部

生態

春と夏に亜高山帯から山地にかけての針葉樹林に生息し、秋に低地や暖地に移動し[4][5]、冬に針葉樹の多い公園や里山などでも見られる[6]。高山にも少数が生息する[6]。非繁殖期には小群れで行動し、ヒガラなどのカラ類と混群することがある[4][5]。針葉樹で忙しく動き回り、幼虫昆虫クモ類などを捕食する[4][5]ホバリングして枝先の虫を捕食することもある[4]。水浴びをする以外は樹の上で生活し[5]、小枝の間にハンモック状のを作る[4]。鳴き声を片仮名表記すると「ツツツツティーツィツィ」に近い。

人間との関係

分布が非常に広いため、2018年の時点では絶滅のおそれは低いと考えられている[1]。一方でヨーロッパでは1980 - 2013年にかけて、生息数が減少傾向にある[1]

ヨーロッパの伝説民間伝承において、本種はしばしば鳥の王とされる。学名の属名および種小名の Regulusラテン語で「小さな王」という意味である。その理由は頭頂部の黄色い冠羽があたかも王冠を冠っているようだから、とされる。 和名は、頭頂部に黄色い冠羽があるためを戴くという意味から命名された[4][6]。松毟鳥(まつむしり)、まつくぐりの名もある。

ルクセンブルクでは、国鳥に指定されている[7]

国字では「鶎」(宗に鳥)と書く。

日本では以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている[8]

  • 絶滅危惧IB類 - 三重県(越冬する個体数が激減している。)[9]
  • 絶滅危惧II類 - 長崎県
  • 準絶滅危惧 - 山形県東京都(北多摩、南多摩、西多摩)、鳥取県(松林などの減少で越冬する個体数が減少している。)[10]
    • 希少種 - 滋賀県(環境省の準絶滅危惧相当)
  • 減少種(繁殖期) - 神奈川県

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e BirdLife International. 2018. Regulus regulus. The IUCN Red List of Threatened Species 2018: e.T22734997A132183740. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2018-2.RLTS.T22734997A132183740.en. Downloaded on 19 May 2020.
  2. ^ a b c Dapple-throats, sugarbirds, fairy-bluebirds, kinglets, hyliotas, wrens, gnatcatchers, Gill, F & D Donsker (Eds). 2020. IOC World Bird List (v10.1). https://doi.org/10.14344/IOC.ML.10.1. (Downloaded 19 May 2020)
  3. ^ a b c d e 日本鳥学会 「キクイタダキ」『日本鳥類目録 改訂第7版』日本鳥学会(目録編集委員会)編、日本鳥学会、2012年、259-260頁
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m ひと目でわかる野鳥 (2010)、196頁
  5. ^ a b c d e f g h i 山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、504頁
  6. ^ a b c d 野山の鳥 (2000)、94-95頁
  7. ^ キクイタダキ”. サントリー. 2012年12月15日閲覧。
  8. ^ 日本のレッドデータ検索システム「キクイタダキ」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2012年12月13日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典元の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。[出典無効]
  9. ^ 三重県レッドデータブック2005・キクイタダキ”. 三重県 (2005年). 2012年12月15日閲覧。[リンク切れ]
  10. ^ レッドデータブックとっとり (動物) (PDF)”. 鳥取県. pp. 73 (2002年). 2012年12月15日閲覧。

参考文献

  • 高木清和 『フィールドのための野鳥図鑑-野山の鳥』山と溪谷社、2000年8月。ISBN 4635063313 
  • 叶内拓哉、安部直哉 『山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥』(第2版)山と溪谷社、2006年10月1日。 ISBN 4635070077 
  • 中川雄三(監修) 編 『ひと目でわかる野鳥』成美堂出版、2010年1月。 ISBN 978-4415305325 

関連項目


「キクイタダキ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「キクイタダキ」の関連用語

キクイタダキのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



キクイタダキのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
オーエンオーエン
Copyright (C) 2002-2025 Oen Co.,Ltd. All Rights Reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのキクイタダキ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS