まつ‐むし【松虫】
読み方:まつむし
1 直翅(ちょくし)目マツムシ科の昆虫。コオロギ類の一種。体長2センチくらい、淡褐色で、触角が長い。雌は錐(きり)状の長い産卵管をもつ。雄は発音器のある幅広い翅(はね)をもち、ススキなどの根際で夜にチンチロリンと鳴く。成虫は8〜11月にみられ、本州以南に分布。《季 秋》「人は寝て籠の—啼きいでぬ/子規」
2 歌舞伎の下座音楽に用いる楽器。小形の伏せ鉦(がね)で、大小一組で使うことが多い。巡礼の出入りや寂しい寺院の場面などに用いる。
3 スズムシの古名。平安時代には名称が入れかわっていた。また、「松」を「待つ」に言い掛けて、和歌などにうたわれている。
「秋の野に人—の声すなり我かとゆきていざとぶらはむ」〈古今・秋上〉

まつむし【松虫】
まつむし
まつむしと同じ種類の言葉
- まつむしのページへのリンク