個虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/11 14:52 UTC 版)
群体を構成する個体には顕著な多形現象が見られる。全体としてクラゲと呼ばれてはいるが、個々の個体について見れば、クラゲ型とポリプ型が混在する。クラゲ型では気胞体のほかに泳鐘(えいしょう)と保護葉がある。泳鐘は幹から側面に向けて広がったコップ状の形のもので、これは一般のクラゲの傘にあたり、これを拡大縮小して水を送って遊泳するのに使われる。泳鐘は往々にして多角形をしている。保護葉は寒天質が伸び広がってその下の個虫を覆うようになったもので、ポリプ型と見る向きもある。 ポリプ型には基部から触手を発達させる栄養体、口がなく触手のある感触体、触手を欠く生殖個虫などがある。幹の下端には最初の栄養体があり、カツオノエボシなどではこれが大きく成長する。触手の構造は複雑で、刺胞叢と呼ばれる独特の構造を発達させる。生殖体はクラゲに近い構造を持つが、クラゲとして独立しないいわゆる子嚢である。
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個虫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 01:18 UTC 版)
個虫のポリプ体(虫体、polypide)は体長1.5mmほどで、肉眼では寒天(ポリプ体と区別して虫室(zooecium)とも呼ばれる)塊表面の黒色の点として認識できる。 虫体は群体の外側へ向けて馬蹄形の触手冠を持ち、その中央に口がある。消化管はU字型をしており、肛門は触手冠の外側に開口する。摂食の様式は濾過摂食であり、水中の微生物やデトリタスをこの触手冠で濾し取って食べる。口の側にある口上突起(epistome)の近傍には赤い色素がある。また、触手冠の両先端部の下面、および虫体と寒天質が接する部分の肛門側には、上皮線からの分泌物の乳白色の塊がある。他の外肛動物と同様に循環器系は無いが、代わりに胃緒(funicles)と呼ばれる紐状の間充織のネットワークが体内を充たしている。 なお、オンタリオ湖のオオマリコケムシの上皮細胞には、Trichonosema algonquinensis や T. pectinatellae といった Trichonosema 属の微胞子虫が寄生している例が報告されている。
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