群体内の多形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/13 14:22 UTC 版)
裸喉綱では、群体を構成する個虫に多形がみられる例が多い。触手を持ち、えさをとる普通の個虫を常個虫という。これに対して、特殊な形になったものを異形個虫と呼んでいる。以下のようなものが知られる。 空個虫:個虫本体は退化し、個虫の部屋のみが残ったもの。群体の支持を担う。 鳥頭体:個室の入り口がくちばし状になって突出したもの。外敵の防衛や群体の清掃。 振鞭体:長い鞭状の突起が生じたもの。同じく外敵の防衛や群体の清掃。 卵室:卵を保持。 群体内の個虫はすべて無性生殖によって増えたもののため、遺伝的に同一である。そのため、自ら繁殖しない個虫も、他の個虫の繁殖を助けることによって、次世代に遺伝子を残すことができると考えられる。すなわち、個虫の機能分化は、社会性昆虫のカースト分化などと同様に、血縁淘汰によって説明することができる。
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