群作用と幾何学的不変式論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/27 08:10 UTC 版)
「線型代数群」の記事における「群作用と幾何学的不変式論」の解説
線型代数群 G の体 k 上定義された代数多様体(あるいはスキーム)X への作用(英語版)とは射 G × k X → X {\displaystyle G\times _{k}X\to X} であって群作用の公理系を満足するものを言う。他の種類の群論と同様、群は幾何学的対象の対称性として自然に生じるものであるから、群作用を調べることは重要である。 群作用の理論の一端として、幾何学的不変式論は線型代数群 G の代数多様体 X への作用の軌道全体の成す集合を記述する商多様体 X/G を構成することを目的とするものだが、これには様々な困難が生じる。たとえば X がアフィン代数多様体ならば X/G を 不変式環(英語版) O(X)G のスペクトル Spec O(X)G として構成しようと試みることはできるけれども、永田雅宜は「不変式環は必ずしも k-代数として有限生成でない」(したがって、不変式環のスペクトルも一般には代数多様体でないスキームとなる)というヒルベルトの第14問題(英語版)に対する否定的解答を示した。肯定的な方向での解答として「G が簡約群ならば対応する不変式環が有限生成である」というハバッシュの定理(英語版)が、標数 0 の場合にはヒルベルトと永田により証明されている。 簡約群 G が射影代数多様体 X に作用するとき、幾何学的不変式論にはさらに微妙な問題が含まれてくる。特に、その理論では X の「固定」点および「半固定」点 ("stable" and "semistable" points) からなる開部分集合を定めるが、そのための商射は半固定点集合上でしか定義されない。
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