エッフェル塔をめぐる論争とは? わかりやすく解説

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エッフェル塔をめぐる論争

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 23:01 UTC 版)

エッフェル塔」の記事における「エッフェル塔をめぐる論争」の解説

先に述べた通りエッフェル塔建設当時その奇抜な外観から批判受けた。特に芸術家からの批判多く1887年2月14日の『ル・タンLe Temps)』紙には芸術家たちの抗議声明掲載された。著名な署名者には、画家エルネスト・メソニエウィリアム・ブーグロー作曲家シャルル・グノー建築家シャルル・ガルニエ作家モーパッサン前述)やアレクサンドル・デュマ・フィスルコント・ド・リールらがいる。以下はその文書の一部である。 「われわれ作家画家彫刻家建築家ならびにこれまで無傷保持されてきたパリの美を熱愛する愛好家たちは、わが首都の真ただ中に、無用にして醜悪なエッフェル塔良識正し理性を持つ辛酸なる大衆多くがすでに「バベルの塔」と名指しエッフェル塔建築対し無視されフランス趣味の名において、また危機瀕したフランス芸術歴史の名において、あらん限りの力と憤り込め、ここに抗議するのである。 われわれはいたずらな愛国主義陥る事なく、パリ世界に並ぶ物のない街である事を高らかに宣言する権利有する。(中略エッフェル塔が、黒く巨大な工場煙突のごとく、目が眩むような馬鹿げた塔がパリ見下ろし野蛮な塊でノートルダムサント・シャペルサン・ジャックの塔やルーヴル宮廃兵院ドーム凱旋門といった建築圧倒し、われらがすべての記念建造物辱めすべての建築矮小化して、唖然とさせるような夢幻中に消滅せしめることを想像すれば、われわれの主張納得するに十分である。これから20年ものあいだ、幾世紀も前からその精気沸き立たせてきたパリ市全域に、ボルト締めされた鉄製醜悪な円柱の影が、まるでインクシミのように長々横たわるのを見る事になるだろう。パリ愛しその美化努め行政の手になる破壊産業界蛮行から幾度もこれを守ってきた皆さん皆さんこそは今一度、このパリを守る栄誉担い手なのです。」 これに対しギュスターヴ・エッフェルは、これから建設されるエッフェル塔芸術的な観点実利的な有用性側面から同紙にて反論している。以下はその文書の一部である。 「塔というものに独特の美がある。われわれ技師が、建築物耐久性のみを考え優美なものを作ろうとしていない考えるのは誤りである。この塔について考慮したのは風圧対す抵抗である。巨大な基礎部分から発している塔の四つの稜曲線は、塔の頂点にいくに従って細くなっているが、そこには力強い美しさ感じられると思う。(中略今回の塔は人類史上最高の建造物となるであろう壮大なものだ。エジプトで讃えられているものが、なぜパリでは醜悪だと言われるのか理解できない。」 また、塔の有用性に関しては以下のように述べている。 「塔は、天文気象物理観測研究寄与するものとみられるし、戦時には監視塔として役立つ。つまりこれは、今世紀における工業技術進歩輝かしく証明するものとなろう。われわれの時代になって初めてかなり精密に加工できるようになったことで、かくも大きな事業実現されるのである。この現代科学精華といえるものが、パリ市内に聳えたつことがパリ栄光無縁だというのであろうか。」

※この「エッフェル塔をめぐる論争」の解説は、「エッフェル塔」の解説の一部です。
「エッフェル塔をめぐる論争」を含む「エッフェル塔」の記事については、「エッフェル塔」の概要を参照ください。

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